今回は、Windows 11に標準で入っているペイントの背景削除機能を使って、写真やイラストの背景を取り除き、透過画像として保存する方法を紹介します。専用の画像編集ソフトを用意しなくても、商品写真の切り抜きや資料用のアイコン作りなどに活用できます。
ペイントの背景削除機能とは
Windows 11のペイントには、ボタンを押すだけで画像の中の被写体を自動で見分け、それ以外の背景を取り除く「背景の削除」機能が搭載されています。以前は、背景を消すには範囲を細かくなぞったり、有料ソフトを使ったりする必要がありましたが、ペイントだけで手軽に処理できるようになりました。
こんな場面で役立ちます
- ネットショップやフリマアプリに載せる商品写真の背景を整える
- プレゼン資料や社内文書に入れる人物・物の切り抜き画像を作る
- 手描きのイラストをスキャンして、紙の色を消した素材にする
- 別の背景画像と組み合わせて、簡単な合成画像を作る
使う前に確認しておきたいこと
背景削除は比較的新しく追加された機能のため、ペイントのバージョンが古いとボタンが表示されないことがあります。見当たらない場合は、Microsoft Storeを開き、「ライブラリ」から更新プログラムを取得してペイントを最新の状態にしてください。
画像全体の背景を削除する手順
まずは、もっとも基本的な使い方である、画像全体から背景を取り除く方法です。
- スタートメニューからペイントを起動する
- メニューの「ファイル」→「開く」を選び、加工したい画像を開く
- 上部のリボンにある「イメージ」のグループから「背景の削除」ボタンをクリックする
- 数秒ほど待つと、被写体以外の部分が取り除かれる
背景が消えた部分は、グレーと白の市松模様で表示されます。この模様は透明な部分を示す表示で、実際の画像に模様が入るわけではありません。
画像ファイルをエクスプローラーで右クリックし、「プログラムから開く」→「ペイント」を選んで開く方法も手軽です。
一部分だけ背景を削除する手順
画像の中に複数の被写体があり、特定の部分だけを切り抜きたい場合は、範囲を選んでから背景削除を実行します。
- ペイントで画像を開く
- 「イメージ」グループの「選択」ツールで、残したい被写体を囲むように四角形の範囲を指定する
- 範囲を選んだ状態で「背景の削除」をクリックする
選択した範囲の中だけが処理されるため、隣に写り込んだ別の物や人を巻き込みにくくなります。被写体の周りに少し余白をとって範囲を指定すると、輪郭が欠けにくくなります。
透過PNGとして保存する方法
背景を削除しても、保存形式を間違えると透明な部分が白く塗りつぶされてしまいます。透過を保ったまま保存するにはPNG形式を選びましょう。
- メニューの「ファイル」→「名前を付けて保存」を選ぶ
- 保存形式の一覧から「PNG画像」を選ぶ
- ファイル名を付けて保存する
保存形式の違いを押さえておく
- PNG:透明な部分をそのまま保持できる。切り抜き素材に向いている
- JPEG:透明な情報を持てないため、背景が白などの色で埋まる
- BMP:基本的に透過には向かず、ファイルサイズも大きくなりやすい
元の写真がJPEG形式の場合でも、背景削除後にPNG形式で保存し直せば透過画像として使えます。
仕上がりをきれいにするコツ
自動処理は手軽な反面、画像によっては輪郭がぎざぎざになったり、残したい部分まで消えたりすることがあります。次の工夫で仕上がりを整えられます。
元画像を選ぶときのポイント
- 被写体と背景の色や明るさの差がはっきりしている写真を使う
- 背景がごちゃごちゃしていない、シンプルな背景の写真を使う
- ピントが被写体に合っていて、ぶれていない写真を使う
撮影の段階から無地の壁や布の前で撮っておくと、背景削除の精度が安定しやすくなります。
消し残しは消しゴムで整える
背景が少し残ってしまった場合は、画面右下のズーム機能で拡大し、消しゴムツールで細かい部分を消すと仕上がりが整います。消しゴムのサイズを小さめにすると、輪郭付近の作業がしやすくなります。
失敗したらすぐに元に戻す
思った結果にならなかったときは、Ctrl+Zで操作を取り消せます。範囲の指定を変えたり、別の写真で試したりしながら、納得できる結果を探してみてください。
元の画像はコピーを残しておく
背景削除のあとに上書き保存すると、元の写真に戻せなくなります。作業前にエクスプローラーで画像ファイルを複製しておくか、保存時に「名前を付けて保存」で別のファイル名を付けるようにすると安心です。
レイヤー機能と組み合わせて背景を差し替える
最近のペイントにはレイヤー機能もあり、背景削除と組み合わせると簡単な合成ができます。
- 背景にしたい画像をペイントで開く
- リボンの「レイヤー」ボタンからレイヤーパネルを表示し、新しいレイヤーを追加する
- 背景を削除した被写体の画像をコピーし、追加したレイヤーに貼り付ける
- 被写体の位置や大きさを調整して保存する
レイヤーを分けておくと、被写体を動かしても背景側の画像が傷つかないため、配置を何度でも調整できます。
フォトアプリでも背景を加工できる
Windows 11のフォトアプリにも、画像の編集画面から背景を削除したり、単色に置き換えたり、ぼかしたりする機能があります。透過素材を作るならペイント、写真の雰囲気を残したまま背景だけ整えたいならフォトアプリというように、目的に合わせて使い分けると作業がスムーズです。
まとめ
Windows 11のペイントなら、追加のソフトを入れなくても背景削除と透過画像の作成ができます。要点を振り返ると次のとおりです。
- 「イメージ」グループの「背景の削除」ボタンで、被写体以外を自動で取り除ける
- 「選択」ツールで範囲を指定すれば、一部分だけを処理できる
- 透過を保つにはPNG形式で保存する
- 消し残しは消しゴムで整え、失敗したらCtrl+Zで取り消す
- 元の画像はコピーを残しておき、上書きで失わないようにする
商品写真や資料の素材づくりなど、ちょっとした画像加工にペイントの背景削除を取り入れてみてください。