今回は、Windows 11でパソコンの時刻がずれてしまうときに、自動同期の設定を見直して修正する方法と、ずれを起こしにくくするためのコツを紹介します。
Windows 11で時刻がずれると起きること
パソコンの時計が数分ずれているだけなら、困ることは少ないと感じるかもしれません。しかし、Windows 11の時刻は表示だけでなく、さまざまな処理の基準として使われています。時刻のずれを放置すると、次のような不具合につながる場合があります。
- Webサイトの証明書の確認がうまくいかず、安全な接続ができないという警告が表示される
- Microsoftアカウントやクラウドサービスへのサインインで、認証に失敗することがある
- ファイルの更新日時が実際とずれ、バックアップや同期ツールの判断が狂う
- 会議や予定の通知が、意図したタイミングで届かない
そのため、時刻は「インターネット上の時刻サーバーと自動同期させておく」のが基本です。以下では、設定の確認から手動での同期、ずれが繰り返されるときの対処まで、順を追って説明します。
時刻の自動同期をオンにする手順
Windows 11には、インターネット経由で正しい時刻を取得し、パソコンの時計を合わせる機能があります。まずはこの機能が有効になっているかを確認しましょう。
設定アプリから確認する
- Windowsキー+Iを押して設定アプリを開きます。
- 左側のメニューから「時刻と言語」を選びます。
- 「日付と時刻」を開きます。
- 「時刻を自動的に設定する」がオンになっているかを確認し、オフであればオンに切り替えます。
タスクバー右端の時計を右クリックし、「日時を調整する」を選んでも同じ画面を開けます。設定アプリのメニューをたどるより早いので、覚えておくと便利です。
タイムゾーンも合わせて確認する
時刻が「ちょうど数時間」ずれている場合は、時計の精度ではなくタイムゾーンの設定が原因であることが多いです。同じ「日付と時刻」の画面で、次の点を確認してください。
- 「タイム ゾーンを自動的に設定する」をオンにすると、位置情報をもとにタイムゾーンが選ばれます。
- 自動設定で正しく選ばれない場合は、この項目をオフにして、「タイム ゾーン」の一覧から「(UTC+09:00) 大阪、札幌、東京」を手動で選びます。
タイムゾーンの自動設定は位置情報サービスを利用します。位置情報がオフになっていると、項目の下にその旨のメッセージが表示されることがあります。また、VPNで海外のサーバーに接続していると、別の地域と判断されることもあるため、VPNを常用している方は手動で固定しておくと安心です。
「今すぐ同期」で時刻をすぐに修正する
自動同期をオンにしていても、同期は一定の間隔で行われるため、ずれに気付いた時点ですぐに直るとは限りません。そのようなときは手動で同期を実行します。
- 設定アプリの「時刻と言語」→「日付と時刻」を開きます。
- 画面を下へスクロールし、「その他の設定」の欄にある「時計を同期する」を探します。
- 「今すぐ同期」ボタンを押します。
同期が完了すると、前回同期した日時と、使用した時刻サーバー(既定では time.windows.com)が表示されます。この表示を見れば、最後にいつ正しく同期できたかを確認できるので、ずれの原因を探る手がかりになります。
なお、標準ユーザーのアカウントでは「今すぐ同期」が使えない場合があります。その場合は、管理者権限のあるアカウントでサインインして操作してください。
同期しても時刻がずれるときの対処法
「今すぐ同期」を押しても失敗する、またはしばらくするとまたずれてしまう場合は、次の点を順番に確認していきます。
インターネット接続とセキュリティソフトを確認する
時刻の同期はインターネット経由で行われるため、接続が不安定だと失敗します。まずはブラウザーでWebページが開けるかを確認しましょう。会社や学校のネットワーク、一部のセキュリティソフトでは、時刻同期の通信が制限されていることもあります。自宅の回線やスマートフォンのテザリングなど、別のネットワークで同期を試すと、原因がネットワーク側にあるかどうかを切り分けられます。
Windows Timeサービスの状態を確認する
時刻の同期は「Windows Time」というサービスが担当しています。このサービスが止まっていると、自動同期が働きません。
- Windowsキー+Rを押し、「services.msc」と入力してEnterキーを押します。
- 一覧から「Windows Time」を探してダブルクリックします。
- 「スタートアップの種類」を「自動」に変更します。
- サービスの状態が「停止」であれば「開始」を押し、「OK」で閉じます。
サービスの設定を変更したあとは、もう一度「今すぐ同期」を試してください。
コマンドで再同期を実行する
設定画面からの同期がうまくいかないときは、コマンドで再同期を指示する方法もあります。スタートボタンを右クリックして「ターミナル(管理者)」を開き、次のコマンドを入力します。
- w32tm /resync:時刻サーバーと再同期を行います
- w32tm /query /status:現在の同期状態や最終同期時刻を確認できます
「コマンドは正しく完了しました」と表示されれば同期は成功しています。エラーが出る場合は、前の手順でWindows Timeサービスが動いているかをあらためて確認してください。
電源を切るたびにずれる場合は内蔵電池を疑う
パソコンの電源を切って再び起動するたびに時刻が大きく狂う、日付が過去に戻っている、といった症状がある場合は、マザーボード上の時計用の内蔵電池(CMOS電池)が消耗している可能性があります。この電池は電源オフ中も時計を動かし続ける役割があり、弱ってくると時刻を保持できなくなります。
インターネットにつながれば自動同期で時刻は戻りますが、起動直後のずれによってサインインや更新処理に影響が出ることもあります。デスクトップパソコンであれば電池を交換できる機種もありますが、ノートパソコンは分解が難しいことが多いため、メーカーのサポートに相談するのが無難です。
時刻のずれを防ぐためのちょっとした工夫
日ごろから次の点を意識しておくと、時刻のトラブルを減らせます。
- 「時刻を自動的に設定する」は常にオンにしておく:手動で時刻を合わせると、その後の自動補正が働かなくなります。
- 時計に秒を表示させる:設定アプリの「個人用設定」→「タスクバー」→「タスクバーの動作」で、システムトレイの時計に秒を表示できます。わずかなずれにも気付きやすくなります。
- 長期間オフラインで使ったあとは同期を実行する:出張先や機内などで長くネットにつながっていなかった場合は、接続後に「今すぐ同期」を押しておくと確実です。
- デュアルブート環境では時刻の扱いに注意する:別のOSと切り替えて使っていると、OSごとに時計の扱い方が異なり、数時間のずれが生じることがあります。起動後に一度同期すると解消できます。
- 表示が正しいか迷ったら最終同期日時を見る:「日付と時刻」の画面に表示される前回の同期日時が古い場合は、同期がうまくいっていないサインです。
まとめ
Windows 11の時刻がずれていると、Webサイトへの接続やサインイン、ファイルの管理などに思わぬ影響が出ることがあります。まずは設定アプリの「時刻と言語」→「日付と時刻」で、時刻とタイムゾーンの自動設定がオンになっているかを確認しましょう。ずれに気付いたときは「今すぐ同期」で手動同期を行い、それでも直らない場合はネットワーク、Windows Timeサービス、コマンドでの再同期の順に確認します。電源を切るたびに時刻が狂うようであれば、内蔵電池の消耗も視野に入れてください。自動同期を基本にしておけば、正しい時刻を手間なく保つことができます。