今回は、Windows 11でMicrosoft Edgeの互換モード(IEモード)を活用する方法を紹介します。
Microsoft Edgeの互換モード:概要と有効化手順
Microsoft Edgeの互換モード(IEモード)は、Internet Explorer(IE)のレガシー機能をChromiumベースのMicrosoft Edge内で利用可能にする機能です。2022年6月にIE 11のサポートが終了した後も、IEでしか動作しない古いウェブサイトやアプリケーションを継続利用するために開発されました。
この機能には以下のような利点があります:
- IEでのみ対応可能なウェブサイトをEdgeで正常に表示
- レガシーなビジネスアプリケーションの継続的な利用
- セキュリティの強化と最新のブラウザ機能の活用
Windows 11でMicrosoft EdgeのIEモードを有効にするには、次の手順を実行します:
- Microsoft Edgeを起動し、右上の「…」(設定など)アイコンをクリック
- メニューから「設定」を選択
- 左側のメニューから「既定のブラウザー」をクリック
- 「Internet Explorerの互換性」セクションを探索
- 「Internet Explorer モード (IE モード) でサイトの再読み込みを許可」を「許可」に設定
- 「再起動」ボタンをクリックしてEdgeを再起動
この手順により、IEモードが有効化され、必要に応じてIEモードでウェブサイトを閲覧できるようになります。
IEモードの実践的な使用方法と詳細設定
IEモードを有効にした後、特定のウェブサイトをIEモードで開くには、以下の手順を踏みます:
- IEモードで表示したいウェブサイトにアクセス
- ブラウザ右上の「…」(設定など)アイコンをクリック
- メニューから「Internet Explorer モードで再読み込みする」を選択
- ページがIEモードで再読み込みされ、アドレスバーの左側にIEアイコンが表示されます
IEモードを終了する場合は、再度「…」メニューを開き、「Internet Explorer モードを終了する」を選択します。
頻繁にIEモードを使用するサイトがある場合、そのサイトを常にIEモードで開くよう設定することも可能です:
- Edgeの設定を開き、「既定のブラウザー」を選択
- 「Internet Explorer モード ページ」セクションで「追加」をクリック
- IEモードで表示したいサイトのURLを入力し、「追加」をクリック
この設定により、指定したサイトは自動的にIEモードで開かれるようになります。
さらに、IEモードでは詳細な互換性設定も可能です:
- エンタープライズサイトリストマネージャー:特定のサイトに対して、IE8やIE11など、特定のIEバージョンとの互換性を指定できます。
- 互換表示設定:IE5またはIE7との互換性を持たせることが可能です。
これらの詳細設定は、edge://compat/SiteListManager
にアクセスして行えます。ただし、これらの設定は主に企業環境での利用を想定しているため、個人ユーザーにとっては複雑な場合があります。
IEモード使用時の注意点とトラブルシューティング
IEモードを使用する際は、以下の点に注意が必要です:
- セキュリティ:IEモードは古い技術を使用するため、最新のEdgeと比較してセキュリティリスクが高くなる可能性があります。
- パフォーマンス:一部のウェブサイトでは、IEモードを使用すると動作が遅くなることがあります。
- 互換性:すべてのIE用ウェブサイトがIEモードで完璧に動作するわけではありません。
これらの理由から、IEモードは必要な場合にのみ使用し、可能な限り最新のウェブ標準に対応したサイトを利用することをお勧めします。
IEモードを使用していて問題が発生した場合、以下の対処法を試してみてください:
- キャッシュとクッキーのクリア:Edgeの設定から、ブラウザのキャッシュとクッキーを消去します。
- 互換性の確認:F12開発者ツールを使用して、現在の互換モードを確認し、必要に応じて調整します。
- グループポリシーの確認:企業環境では、IEモードの設定がグループポリシーによって制限されている可能性があります。
- 最新のアップデートの適用:Windows 11とMicrosoft Edgeを最新バージョンに更新します。
これらの方法で解決しない場合は、Microsoft公式サポートへの問い合わせを検討してください。
まとめ
Windows 11環境でのMicrosoft EdgeのIEモード(互換モード)は、レガシーなウェブサイトやアプリケーションを継続して利用するための重要な機能です。
本記事では、IEモードの有効化方法、使用方法、詳細設定、トラブルシューティングについて解説しました。
IEモードは、レガシーシステムからの移行期間中の一時的な解決策として位置付けられています。
Microsoftは、長期的にはすべてのウェブサイトとアプリケーションが最新のウェブ標準に対応することを推奨しています。
そのため、ユーザーはIEモードの利用は必要最小限に抑え、ウェブ開発者やIT管理者はIEモードへの依存を減らし、、可能な限り最新のウェブ技術への移行を検討することが重要です。