Windows 11では、ユーザーエクスペリエンスの向上や問題解決のために、様々なデータがMicrosoftに送信されています。
しかし、プライバシーを重視するユーザーにとっては、どのようなデータが送信されているのか、それをどのように管理できるのか気になるところです。
今回は、Windows 11でMicrosoftに送信されるデータを確認し、管理する方法を紹介します。
Windows 11でMicrosoftに送信されるデータの種類
まず、Windows 11がMicrosoftに送信する主なデータの種類は下記になります。
- 診断データ:システムの動作状況や使用状況に関する情報
- 位置情報:デバイスの地理的位置
- 広告ID:パーソナライズされた広告のための識別子
- 検索履歴:検索バーでの検索内容
- 音声認識データ:音声コマンドや音声入力の情報
- アクティビティ履歴:使用したアプリや訪問したウェブサイトの情報
これらのデータは、サービスの改善やパーソナライズされた体験の提供に使用されますが、同時にプライバシーの懸念も生じさせます。
診断データの確認方法
Windows 11では、Microsoftに送信される診断データを確認することができます。以下の手順で確認できます:
- スタートメニューから「設定」を開きます。
- 「プライバシーとセキュリティ」を選択します。
- メニューから「診断とフィードバック」を選択します。
- 「診断データを表示する」をクリックします。
- 「診断データ ビューアーを有効にする(最大1GBのハードドライブ領域を使用)」を「オン」にします。
- 「診断データ ビューアーを開く」をクリックします。
- 画面の指示に従い、操作をします(「診断データビューア」アプリのインストール等)。
ここでは、デバイスの基本情報、インストールされているアプリ、システムの性能データなどを確認できます。
プライバシー設定の管理方法
Windows 11では、Microsoftに送信されるデータを制限するためのさまざまな設定オプションが用意されています。以下に主要な設定項目とその管理方法を紹介します。
1. 診断データの設定
診断データの送信レベルを調整することができます。
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「診断とフィードバック」を開きます。
- 「診断データ」をクリックして、開いた項目の「オプションの診断データを送信する」を「オフ」にします。
注意:「オフ」にすると、必須の基本的なシステム情報のみが送信されます。
2. 位置情報の管理
アプリやサービスによる位置情報へのアクセスを制御できます。
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報」を開きます。
- 「位置情報サービス」のトグルを「オフ」にすると、すべてのアプリの位置情報アクセスを無効にできます。
- 特定のアプリの位置情報アクセスを個別に管理することも可能です。
3. 広告IDの無効化
パーソナライズされた広告を制限するために、広告IDを無効にできます。
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「全般」を開きます。
- 「アプリに広告IDを使用して個人用に設定された広告を表示させる」のトグルを「オフ」にします。
4. 検索履歴の設定
検索履歴の保存を制限できます。
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「デバイスの検索」を開きます。
- 「デバイスの検索」のトグルを「オフ」にします。
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「検索アクセス許可」を開きます。
- 「クラウドコンテンツの検索」や「履歴」「その他の設定」のトグルを「オフ」にします。
5. 音声認識データの管理
音声認識機能に関するデータ収集を制御できます。
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「音声」を開きます。
- 「オンライン音声認識」のトグルをオフにすると、音声データのMicrosoftへの送信を停止できます。
6. アクティビティ履歴の管理
Microsoftアカウントに保存されるアクティビティ履歴を制御できます。
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「アクティビティの履歴」を開きます。
- 「このデバイスでのアクティビティの履歴を保存する」のトグルを「オフ」にします。
データの削除方法
既にMicrosoftに送信されたデータを削除したい場合は、以下の手順で行えます:
- Microsoftプライバシーダッシュボード(https://www.microsoft.com/ja-jp/privacy/)にアクセスします。
- Microsoftアカウントでログインします。
- 「プライバシー ダッシュボード」を選択します。
- 削除したいデータの種類を選択し、「消去」をクリックします。
注意:一部のデータは即時に削除されますが、完全に削除されるまでに時間がかかる場合があります。
プライバシー設定の定期的な見直し
Windows 11のアップデートにより、新しいプライバシー設定が追加されたり、既存の設定が変更されたりする可能性があります。そのため、定期的にプライバシー設定を確認し、必要に応じて調整することをおすすめします。
- 少なくとも3ヶ月に1回はプライバシー設定を確認しましょう。
- 大規模なWindows更新後は、必ずプライバシー設定を見直してください。
- 新しいアプリをインストールした際は、そのアプリに関連するプライバシー設定を確認しましょう。
まとめ
Windows 11では、ユーザーエクスペリエンスの向上のためにさまざまなデータがMicrosoftに送信されています。しかし、プライバシーを重視するユーザーにとっては、これらのデータ収集が懸念事項となる可能性があります。
本記事で紹介した方法を活用することで、Microsoftに送信されるデータを確認し、必要に応じて制限することができます。診断データ、位置情報、広告ID、検索履歴、音声認識データ、アクティビティ履歴など、さまざまな種類のデータについて、個別に設定を管理できます。