Windows 11搭載のパソコンを使用している際、書類の印刷やPDF化など、様々な場面で「プリンター」を利用する機会があります。しかし、一言でプリンターと言っても、USBケーブルで接続する物理的な機器から、データをファイルとして保存するためのソフトウェア的な機能まで、その種類は多岐にわたります。
今回は、Windows 11で使えるプリンターの分類や特徴、追加・設定方法について解説します。
Windows 11で利用できるプリンターの種類
Windows 11の「設定」-「Bluetoothとデバイス」-「プリンターとスキャナー」の画面を見ると、自身が接続した覚えのないデバイスが表示されていることがあります。これは、Windows 11が物理的な印刷機だけでなく、仮想的な出力機能も「プリンター」として扱っているためです。主に以下の2つのカテゴリーに分類されます。
1. 物理プリンター(ローカル・ネットワーク)
実際に紙への印刷を行うハードウェアです。接続形態によって、さらに「ローカルプリンター」と「ネットワークプリンター」に分けられます。
- ローカルプリンター:USBケーブルなどでパソコンと直接1対1で接続するタイプです。設定が簡単で、ケーブルを挿すだけで自動的に認識・セットアップされる「プラグアンドプレイ」に対応している製品がほとんどです。家庭での個人利用や、セキュリティ上の理由でネットワークに接続できない環境で利用されます。
- ネットワークプリンター:Wi-Fi(無線LAN)や有線LANケーブルを通じて、ルーターやハブに接続されるタイプです。同一ネットワーク内にある複数のパソコンやスマートフォンから共有して利用できるのが特徴です。オフィス環境や、家族で1台のプリンターを共有する場合に適しています。
2. 仮想プリンター(PDF・XPSなど)
紙にインクで印刷するのではなく、データを特定のファイル形式に変換して保存するソフトウェア機能です。Windows 11には、標準でいくつかの仮想プリンターが組み込まれています。
- Microsoft Print to PDF:ドキュメントやWebページなどを、PDFファイルとして保存するための機能です。PDF作成専用ソフトをインストールしなくても、印刷機能を持つあらゆるアプリケーションからPDFを作成できます。ペーパーレス化が進む現在、最も利用頻度が高い仮想プリンターの一つです。例えば、Web上の領収書画面や、予約完了画面を保存しておきたい場合に役立ちます。
- Microsoft XPS Document Writer:マイクロソフトが開発した電子文書形式「XPS(Open XML Paper Specification)」でファイルを保存します。現在はPDFがデファクトスタンダードとなっていますが、特定の業務システムや古いアプリケーションとの互換性のために残されています。一般的な用途では使用頻度は低くなっています。
- OneNote (Desktop):印刷実行時の内容を、デジタルノートアプリ「OneNote」のページに画像として転送します。資料をノートに取り込んで手書きでメモを加えたい場合などに便利です。
プリンターの追加とインストールの手順
新しいプリンターを購入した場合や、オフィスのプリンターを自分のパソコンで使えるようにするためには、Windows 11の設定から「デバイスの追加」を行う必要があります。ここでは、標準的な手順を解説します。
自動で追加する場合
Windows 11は多くのプリンタードライバーを標準で持っているため、接続するだけで使えるようになるケースが増えています。
- 「スタート」ボタンを右クリックし、メニューから「設定」を選択します。
- 設定画面の左メニューから「Bluetooth とデバイス」をクリックし、右側のメニューから「プリンターとスキャナー」を選択します。
- 画面上部にある「デバイスの追加」ボタンをクリックします。
- Windowsが近くにあるプリンターやネットワーク上のプリンターを検索します。目的のプリンターがリストに表示されたら、その横にある「デバイスの追加」ボタンをクリックします。
インストールが完了すると、「準備完了」などのステータスが表示され、利用可能になります。
手動で追加する場合
古いモデルのプリンターや、複雑なネットワーク環境にあるプリンターは、自動検索でヒットしないことがあります。その場合は手動で追加を行います。
- 上記と同様に「プリンターとスキャナー」画面で「デバイスの追加」をクリックします。
- しばらく待っても目的のプリンターが表示されない場合、リストの下に現れる「プリンターが一覧にない場合」という項目の横にある「手動で追加」をクリックします。
- 「プリンターの追加」ウィザードが開きます。状況に合わせて以下のオプションを選択します。
- 共有プリンターを名前で選択する:別のパソコンに接続されているプリンターを共有利用する場合に、パス(例:\\PC名\プリンター名)を入力します。
- IPアドレスまたはホスト名を使ってプリンターを追加する:オフィスのネットワークプリンターなどで、IPアドレスが判明している場合に選択します。
- ローカルプリンターまたはネットワークプリンターを手動設定で追加する:USB接続でも自動認識されない場合などに、ポート(USBポートやCOMポートなど)を手動で指定してインストールします。
効率的なプリンター管理と設定
複数のプリンター(物理・仮想含む)が登録されていると、印刷時に毎回選び直す手間が発生することがあります。効率よく作業を進めるための設定ポイントを紹介します。
「通常使うプリンター」の管理
印刷ボタンを押した際に、最初に選択されているプリンターを「通常使うプリンター(既定のプリンター)」と呼びます。Windows 11の初期設定では、「Windows で通常使うプリンターを管理する」という機能がオンになっています。これは、最後に使用したプリンターを自動的に次回の「通常使うプリンター」に設定する機能です。
常に特定のプリンター(例:オフィスのメイン複合機や、自宅のインクジェットプリンター)を固定しておきたい場合は、以下の手順でこの機能をオフにします。
- 「プリンターとスキャナー」画面を開きます。
- 「プリンターの環境設定」欄にある「Windows で通常使うプリンターを管理する」のスイッチを「オフ」にします。
- リストから、既定に固定したいプリンターをクリックして詳細画面を開きます。
- 画面上部に表示される「既定として設定する」ボタンをクリックします。
これで、前回PDF作成(Microsoft Print to PDF)を行った後でも、次回の印刷時には指定した物理プリンターが最初から選択されるようになります。
不要なプリンターの削除
買い替え前の古いプリンターや、一時的に使用したネットワークプリンターが一覧に残っていると、選択ミスのもとになります。使わないデバイスは削除(デバイスの削除)をして整理することをおすすめします。
- 「プリンターとスキャナー」の一覧から、削除したいプリンターをクリックします。
- 詳細画面の右上(または設定項目内)にある「削除」ボタンをクリックします。
- 確認メッセージが表示されたら「はい」を選択します。
「印刷設定」と「プリンターのプロパティ」の違い
プリンターの詳細画面には、似たような設定項目として「印刷設定」と「プリンターのプロパティ」があります。これらは役割が明確に異なります。
- 印刷設定(Printing Preferences):
ユーザーが印刷するたびに変更する可能性のある設定です。
例:用紙サイズ(A4/B5など)、印刷の向き(縦/横)、カラー/モノクロの切り替え、両面印刷の有無など。普段の利用で最も頻繁にアクセスする画面です。
- プリンターのプロパティ(Printer Properties):
プリンターそのもののハードウェア設定や、システム全体に関わる設定です。
例:ポートの設定(IPアドレスの変更など)、ドライバーの詳細設定、テストページの印刷、共有設定、セキュリティ権限の変更など。通常、一度設定したら頻繁に変更するものではありません。
「色が変」「両面印刷ができない」といった日常的なトラブルは「印刷設定」を、「接続がうまくいかない」「ポートを変更したい」といったシステム的なトラブルは「プリンターのプロパティ」を確認すると覚えておくと良いでしょう。
トラブルシューティング:プリンターが見つからない・動かない場合
プリンターを追加しようとしても一覧に出てこない、あるいは印刷実行しても反応しない場合の主な対処法です。
1. 接続と電源の確認
基本的なことですが、最も多い原因の一つです。プリンターの電源が入っているか、USBケーブルがしっかり接続されているか、Wi-Fi接続の場合はパソコンと同じネットワーク(SSID)に繋がっているかを確認してください。特にWi-Fiルーターが複数ある環境では、異なるネットワークに接続されているケースがよくあります。
2. 最新ドライバーのインストール
Windows標準のドライバーでは機能が不十分だったり、正常に動作しなかったりすることがあります。プリンターメーカー(Canon, Epson, Brother, HPなど)の公式サイトサポートページから、Windows 11対応の最新ドライバー・セットアップツールをダウンロードし、インストールを試みてください。メーカー製ツールを使うことで、ネットワーク接続設定も自動で行ってくれる場合が多く、手動設定よりも確実です。
3. トラブルシューティングツールの実行
Windows 11には問題を自動診断する機能があります。
「設定」>「システム」>「トラブルシューティング」>「その他のトラブルシューティング ツール」と進み、「プリンター」の横にある「実行する」ボタンを押すと、システムが自動で不具合の原因を探し、修正を試みます。
まとめ
Windows 11における「プリンターの種類」は、物理的な機器だけでなく、PDF作成などの仮想プリンターも含んだ広い概念です。
ローカル、ネットワーク、仮想プリンターというそれぞれの特性を把握し、適切に追加・管理設定を行うことで、日々の作業効率は大きく向上します。