【Windows 11】Microsoftアカウントでできること:メリットと活用法を解説

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Windows 11を利用する際、セットアップ時に作成やサインインを求められるのが「Microsoftアカウント」です。ローカルアカウントでもWindowsを利用することはできますが、Microsoftアカウントを使用することで、OSが持つ機能をより有効に活用できるようになります。

今回は、Windows 11においてMicrosoftアカウントでできること、具体的なメリットについて解説します。

設定やデータの同期とバックアップ

Microsoftアカウントを使用する大きなメリットとして、複数のデバイス間で環境を統一できることと、バックアップ機能があります。

Windows バックアップによる環境の移行

Windows 11には「Windows バックアップ」機能が搭載されています。Microsoftアカウントでサインインしていると、インストール済みのアプリ、Wi-Fiネットワーク情報、パスワード、およびその他の設定をクラウド上に保存できます。

新しいパソコンに買い替えた際や、パソコンを初期化した際に、同じMicrosoftアカウントでサインインすると、以前の環境をスムーズに復元することができます。

Microsoft Edgeの同期

標準ブラウザであるMicrosoft Edgeのお気に入り(ブックマーク)、閲覧履歴、保存されたパスワード、拡張機能なども、Microsoftアカウントを通じて同期されます。スマートフォンやタブレットなど、異なるデバイスでEdgeを利用する場合でも、同じ閲覧環境を利用できます。

OneDriveによるクラウドストレージの活用

Microsoftアカウントには、クラウドストレージサービス「OneDrive」の利用権が付帯しています(無料プランでは通常5GBまで)。

Windows 11ではOneDriveがシステムに統合されており、エクスプローラーから通常のフォルダーと同じようにクラウド上のファイルにアクセスできます。また、「デスクトップ」「ドキュメント」「写真」フォルダーの内容を自動的にクラウドへバックアップする設定もできます。

  • ファイルの保護:パソコンが故障したり紛失したりした場合でも、データはクラウドに残るため、消失を防げます。
  • マルチデバイスアクセス:外出先からスマートフォンで、自宅のパソコンにある書類を確認・編集するといった使い方ができます。

セキュリティ機能の強化

アカウントのセキュリティやデバイスの保護機能も、Microsoftアカウントによって強化されます。

「デバイスの検索」機能

ノートパソコンなどを紛失した際、「デバイスの検索」機能を利用できます。これはデバイスの最後のおおよその位置情報を地図上で確認できる機能です。また、遠隔操作でデバイスをロックしたり、メッセージを表示させることも可能です。

BitLocker回復キーの管理

Windowsのドライブ暗号化機能「BitLocker」(Windows 11 Pro/Enterprise/Educationエディションで使用可能)が有効になっている場合、暗号化解除のための「回復キー」が必要になることがあります。Microsoftアカウントを使用していると、この回復キーが自動的にアカウント内にバックアップされます。

ハードウェアの構成変更やトラブルによりロックがかかった場合でも、別の端末からMicrosoftアカウントページにアクセスすることで、回復キーを確認し、データにアクセスできなくなるリスクを軽減できます。

Microsoft Storeとアプリの利用

Windows上のアプリストアの「Microsoft Store」からアプリをダウンロードするには、原則としてMicrosoftアカウントが必要です。

有料アプリやゲームを購入した場合、そのライセンスはアカウントに紐づけられます。そのため、パソコンを買い替えた場合でも、同じアカウントでサインインすれば、追加料金なしで再度ダウンロード・インストールができます。

Microsoft ファミリー セーフティの利用

家庭でパソコンを利用する場合、「Microsoft ファミリー セーフティ」機能が役立ちます。子供用のMicrosoftアカウントを作成し、保護者のアカウントと紐づけることで、以下の管理が可能になります。

  • 利用時間の制限:パソコンやゲームの利用時間を設定できます。
  • コンテンツフィルター:年齢に不適切なWebサイトやアプリへのアクセスを制限できます。
  • アクティビティレポート:子供の利用状況を確認できます。

パスワードレスでのサインイン

Windows 11では「Windows Hello」とMicrosoftアカウントを組み合わせることで、従来のパスワード入力を省略し、顔認証、指紋認証、またはPINコードで安全かつ素早くサインインできます。

また、Microsoftアカウントの設定で「パスワードレス アカウント」を有効にすると、アカウント自体からパスワードを排除し、スマートフォン上の認証アプリ(Microsoft Authenticator)などを使用してサインインすることも可能です。これにより、パスワード漏洩のリスクを低減できます。

Copilot in Windowsの活用

Windows 11に搭載されているAIアシスタント「Copilot in Windows」は、Microsoftアカウントでサインインすることで、より高度な機能を利用できます。

サインインすることで、会話の履歴が保存されたり、画像生成機能が利用できたりと、AIアシスタントの機能を活用できます。

ローカルアカウントとの違い

従来の「ローカルアカウント」と「Microsoftアカウント」の主な違いを整理します。

  • ローカルアカウント:そのパソコン単体で管理されるアカウントです。インターネット接続がなくても作成・利用できますが、設定の同期やOneDriveの自動連携、デバイスの検索などの機能は利用できません。
  • Microsoftアカウント:インターネット上のサーバーで認証を行うアカウントです。前述した同期機能やセキュリティ機能など、Windows 11の機能を活用できますが、セットアップ時や一部の機能利用時にインターネット接続が必要です。

Windows 11 Homeエディションなどでは、初期セットアップ時にインターネット接続とMicrosoftアカウントが標準で求められる仕様となっています。

まとめ

Windows 11でMicrosoftアカウントを利用すると、パソコンへのログイン手段として以外に、データのバックアップ、セキュリティの確保、デバイス間の連携などを行うことができます。

特に複数のデバイスを使用しているユーザーや、データの消失リスクに備えたいユーザーには、Microsoftアカウントを使用した運用が推奨されます。