Windows 11のOneDriveには、PCのストレージ容量を節約するための「ファイルオンデマンド」という機能が標準で有効になっています。この機能は便利ですが、インターネット接続がないとファイルが開けなかったり、エクスプローラーでのプレビュー表示が遅かったりするというデメリットもあります。
今回は、Windows 11でOneDriveのファイルオンデマンド機能を無効化し、すべてのデータをローカルディスクにダウンロードして保存する手順を解説します。
OneDriveの「ファイルオンデマンド」機能とは
ファイルオンデマンドとは、クラウド上のOneDriveにあるファイルを、PCの空き容量を使わずにエクスプローラー上で「見える」状態にする機能です。ファイルの実体はクラウドにあり、必要になったとき(ファイルを開くとき)だけダウンロードされます。
この機能の状態は、エクスプローラーの「状態」列にあるアイコンで確認できます。
- 雲のアイコン: オンラインのみ可能なファイル(実体はPCにない)
- 緑のチェックマーク(白抜き): 一時的にデバイスに保存されたファイル
- 緑のチェックマーク(塗りつぶし): 「常にこのデバイスに保持する」設定になっているファイル
ファイルオンデマンドを無効にするメリット
ファイルオンデマンドを無効(すべてのファイルをダウンロード)にすることで、以下のメリットが得られます。
- オフラインアクセス: インターネット環境がない場所でも、すべてのファイルを開いたり編集することができます。
- 表示速度の向上: ファイルの実体がPCにあるため、サムネイル表示やファイルを開く動作が高速になります。
- バックアップの確実性: PC内のバックアップソフトでデータをバックアップする際、実体があるため正しくバックアップされます。
OneDriveのファイルオンデマンドを無効にする手順
それでは、実際に設定を変更してファイルオンデマンドを無効化(すべてのファイルをダウンロード)する手順を解説します。
1. OneDriveの設定画面を開く
タスクバーの通知領域(画面右下)にある雲のアイコン(OneDrive)をクリックします。もし隠れている場合は、「∧」マークをクリックして表示させてください。
開いたパネルの右上にある歯車のアイコン(ヘルプと設定)をクリックし、メニューから「設定」を選択します。
2. 同期とバックアップの設定にアクセスする
OneDriveの設定画面が開きます。左側のメニューから「同期とバックアップ」をクリックしてください。
画面を下にスクロールし、「詳細設定」の項目をクリックして展開します。
3. すべてのファイルをダウンロードする
「詳細設定」の中に、「ファイルオンデマンド」という項目があります。
ここにある「すべてのファイルをダウンロードするというボタンをクリックします。
※バージョンによっては、「ディスク領域の解放」の対になる操作として表示される場合があります。
4. 処理の完了を待つ
「すべてのファイルをダウンロードする」をクリックすると、クラウド上のファイルがPCへのダウンロードを開始します。ファイルの総容量によっては、完了までに時間がかかる場合があります。
エクスプローラーでOneDriveフォルダを確認し、すべてのファイルのステータスアイコンが「塗りつぶしの緑のチェックマーク」に変われば完了です。
設定変更前の重要な注意点
ファイルオンデマンドを無効にする前に、必ず以下の点を確認してください。
PCの空き容量を確認する
この操作を行うと、クラウド上のすべてのデータがPCにダウンロードされます。そのため、OneDriveの保存データ量以上の空き容量がPCのハードディスクやSSDに必要です。
もしPCの空き容量が不足している状態でこの操作を行うと、ディスクがいっぱいになり、PCの動作が不安定になる可能性があります。事前に不要なファイルを削除するなどして、十分な空き容量を確保してください。
まとめ
今回は、Windows 11でOneDriveのファイルオンデマンド機能を無効にし、すべてのファイルをPCに保存する方法を紹介しました。
この設定を行うことで、インターネット接続に依存せず、いつでも快適にファイルにアクセスすることができます。
ただし、PCのストレージ容量を大きく消費するため、ご自身のPC環境に合わせて最適な設定を選択してください。