今回は、Windows 11でのシャットダウン方法と、通常のシャットダウンと完全シャットダウンの違いについて紹介します。
パソコンを適切に終了させることは、システムの安定性や次回起動時のスムーズな動作に影響します。
この記事では、Windows 11で利用できる様々なシャットダウン方法と、それぞれの特徴を解説していきます。
Windows 11における通常のシャットダウンとは
Windows 11では、パソコンの電源を切る「シャットダウン」には、大きく分けて2種類あります。デフォルト設定の「通常のシャットダウン」と「完全シャットダウン」です。それぞれの特徴を理解することで、状況に応じた適切なシャットダウン方法を選択できるようになります。
「通常のシャットダウン」では、Windows 11に搭載されている「高速スタートアップ」という機能が有効になっています。この機能により、シャットダウン時にシステム情報の一部が保存され、次回起動時にはその情報を読み込むことで起動を高速化します。通常のシャットダウンは以下のような特徴があります：
- シャットダウン時にシステム情報の一部を保存
- 次回起動時は保存された情報を読み込むため起動が速い
- Windows 11の標準設定のシャットダウン方法
通常のシャットダウン方法
Windows 11で通常のシャットダウンを行うには、いくつかの方法があります。以下にその手順を紹介します。
スタートメニューからシャットダウンする方法
最も一般的なシャットダウン方法です。
- 画面下部にある「スタート」ボタンをクリックします。
- スタートメニュー右下に表示される「電源」ボタンをクリックします。
- 表示されたメニューから「シャットダウン」を選択します。
これでWindowsが終了し、パソコンの電源が自動的に切れます。
スタートボタンを右クリックしてシャットダウンする方法
こちらもよく使われるシャットダウン方法です。
- 画面下部の「スタート」ボタンを右クリックします。
- 表示されたメニューから「シャットダウンまたはサインアウト」にカーソルを合わせます。
- サブメニューから「シャットダウン」を選択します。
キーボードショートカットを使ったシャットダウン方法
キーボード操作のみでシャットダウンする方法もあります。
- キーボードの「Alt」キーと「F4」キーを同時に押します（デスクトップ画面で操作してください）。
- 表示された「Windowsのシャットダウン」ダイアログで「シャットダウン」が選択されていることを確認し、「OK」をクリックします。
または、以下の方法も利用できます。
- 「Windows」キーと「X」キーを同時に押して、クイックリンクメニューを表示します。
- 「U」キーを押して「シャットダウンまたはサインアウト」メニューを展開します。
- 「U」キーを押して「シャットダウン」を実行します。
完全シャットダウンとは
「完全シャットダウン」は、システム情報を保存せずに完全にWindows 11を終了する方法です。通常のシャットダウンとは異なり、高速スタートアップが無効化された状態でシャットダウンされます。完全シャットダウンの特徴は以下の通りです：
- システム情報を保存せずに完全にWindows 11を終了
- 次回起動時は通常のシャットダウン後の起動より時間がかかる
- パソコンや周辺機器の動作が不安定な場合に有効
- BIOS設定変更後や新しい周辺機器を接続した場合に推奨
完全シャットダウンの方法
完全シャットダウンを行うには、一時的に行う方法と、常に完全シャットダウンする設定に変更する方法があります。
一時的に完全シャットダウンを行う方法
通常のシャットダウン操作に「Shift」キーを組み合わせると、一時的に完全シャットダウンができます。
- 「スタート」ボタンをクリックし、「電源」ボタンをクリックします。
- キーボードの「Shift」キーを押しながら、「シャットダウン」をクリックします。
または、スタートボタンを右クリックし、「シャットダウンまたはサインアウト」メニューから「Shift」キーを押しながら「シャットダウン」を選択することもできます。
常に完全シャットダウンする設定に変更する方法
高速スタートアップを無効にすることで、常に完全シャットダウンする設定に変更できます。
- 「スタート」メニューの検索ボックスに「コントロールパネル」と入力し、コントロールパネルを開きます。
- 「ハードウェアとサウンド」をクリックします。
- 「電源オプション」をクリックします。
- 左側のメニューから「電源ボタンの動作の選択」をクリックします。
- 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックします（管理者権限が必要です）。
- 「シャットダウン設定」セクションにある「高速スタートアップを有効にする（推奨）」のチェックを外します。
- 「変更の保存」ボタンをクリックして設定を保存します。
この設定変更後は、通常のシャットダウン操作でも完全シャットダウンが実行されるようになります。
コマンドプロンプトを使ったシャットダウン方法
コマンドプロンプトを使ってシャットダウンすることもできます。この方法は、バッチファイルの作成やスクリプト実行など、自動化したい場合に便利です。
- 「スタート」メニューの検索ボックスに「cmd」と入力し、コマンドプロンプトを起動します。
- 通常のシャットダウンを実行するには、次のコマンドを入力して「Enter」キーを押します：
shutdown /s /t 0 - 完全シャットダウンを実行するには、次のコマンドを入力して「Enter」キーを押します：
shutdown /s /f /t 0
コマンドの意味：
- /s：シャットダウンを実行する
- /f：実行中のアプリケーションを強制終了する
- /t 0：シャットダウンまでの待機時間をゼロに設定（即時実行）
通常のシャットダウンと完全シャットダウンの使い分け
どちらのシャットダウン方法を使うべきか、状況に応じた選択ポイントを紹介します。
通常のシャットダウンが適している場合
- 日常的なパソコン使用で、特に問題が発生していない場合
- 起動の速さを優先したい場合
- パソコンの使用頻度が高く、頻繁に起動・シャットダウンを繰り返す場合
完全シャットダウンが適している場合
- パソコンの動作が不安定になった場合
- 新しい周辺機器を接続したが正しく認識されない場合
- BIOSやUEFIの設定を変更した後
- Windows Updateを適用した後、動作に問題がある場合
- 長期間パソコンを使用しない予定がある場合
よくある問題と対処法
Windows 11のシャットダウンに関連して、よくある問題とその対処法を紹介します。
シャットダウンできない場合
シャットダウン操作を行っても電源が切れない場合は、以下の対処法を試してみてください。
- 起動中のアプリケーションをすべて終了させてから、再度シャットダウンを試みる
- 完全シャットダウン（Shiftキーを押しながらシャットダウン）を試みる
- 電源オプションの高速スタートアップを無効にしてみる
- Windows Updateを確認し、保留中の更新があれば適用する
強制終了が必要な場合
システムが応答しなくなり、通常の方法でシャットダウンできない場合は、強制終了を行うことができます。
- パソコンの電源ボタンを5秒以上（機種によっては10秒程度）長押しします。
注意：強制終了は、システムが操作できなくなったとき以外は行わないでください。保存されていないデータが失われる可能性があります。
まとめ
Windows 11には、通常のシャットダウンと完全シャットダウンという2種類のシャットダウン方法があります。通常のシャットダウンは高速スタートアップ機能により次回起動が速くなる一方、完全シャットダウンはシステム情報を保存せずに終了するため、トラブル解決に役立つことがあります。
状況に応じて適切なシャットダウン方法を選択することで、パソコンを効率的に使用することができます。日常的な使用では通常のシャットダウンを利用し、問題が発生した場合や設定変更後には完全シャットダウンを試してみてください。