Windows 11の標準アプリであるSnipping Toolには、シャッターを切るタイミングを遅らせる「待ち時間(遅延)」機能が搭載されています。
この機能を利用することで、通常の方法では撮影が難しい、マウス操作を止めると消えてしまうメニューやポップアップウィンドウなどをきれいにキャプチャすることが可能です。
今回は、Windows 11のSnipping Toolを使用して、時間差のあるスクリーンショットを撮る手順について解説します。
Snipping Toolの待ち時間(遅延)機能とは
Snipping Toolの待ち時間機能とは、スクリーンショットの撮影ボタン(「新規」ボタン)を押してから、実際に画面が静止して切り取り範囲を選択できるようになるまでの間に、数秒間のタイムラグを設ける機能です。
通常のスクリーンショット撮影では、ボタンを押した瞬間に画面が固定されますが、この機能を使うと、指定した秒数が経過するまでの間に、撮影したい画面の状態(メニューを開く、マウスオーバーするなど)を整えることができます。
時間差スクリーンショットを撮る手順
実際にSnipping Toolを使って、時間差(遅延)を設定してスクリーンショットを撮る手順は以下の通りです。
1. Snipping Toolを起動する
まず、スタートメニューの「すべてのアプリ」から「Snipping Tool」を探して起動するか、スタートメニューの検索バーに「Snipping Tool」と入力してアプリを開きます。
※パソコンにインストールされていない場合は、Microsoft Storeで「切り取り領域とスケッチ」と検索してインストールしてください。
2. 待ち時間を設定する
Snipping Toolのウィンドウ上部にあるツールバーを確認します。「新規」ボタンの近くにある時計のアイコン(待ち時間)をクリックします。
クリックすると、以下のドロップダウンメニューが表示されます。
- 待ち時間なし
- 3 秒遅延
- 5 秒遅延
- 10 秒遅延
撮影の準備に必要な時間に合わせて、3秒、5秒、10秒の中から適切な時間を選択します。
3. 撮影を開始する
待ち時間を設定したら、ツールバーの「新規」ボタンをクリックします。
4. 画面を準備する
「新規」ボタンをクリックした後、設定した秒数が経過するまでの間に、撮影したい状態に画面を操作します。
例えば、右クリックメニューを撮影したい場合は、このカウントダウンの間にデスクトップやアプリ上で右クリックを行い、メニューを表示させます。マウスカーソルを特定の場所に合わせた状態(ロールオーバー)を撮りたい場合も、この時間内にカーソルを移動させます。
5. スクリーンショットを切り取る
設定した時間が経過すると、画面全体が薄暗くなり、スクリーンショットの切り取りモードに移行します。画面上部に表示されるツールバーから切り取り方法(長方形モード、ウィンドウモードなど)を選択し、必要な範囲をドラッグしてキャプチャします。
遅延撮影が役立つ具体的なシーン
時間差スクリーンショットは、以下のような場面で特に有効です。
- 右クリックメニュー(コンテキストメニュー)の撮影: 通常、キーボードのPrintScreenキーなどを押すと閉じてしまうことがあるメニューを、開いた状態で維持して撮影できます。
- マウスオーバー時のツールチップ: アイコンやリンクの上にマウスを置いたときに表示される説明文(ツールチップ)など、マウスを動かすと消えてしまう要素を捉えることができます。
- ドロップダウンリスト: クリックして展開するタイプのリストが開いた状態を撮影する際に便利です。
ショートカットキーでの利用について
Windows 11では、Windows + Shift + S キーを押すことで素早くSnipping Toolの機能を呼び出せますが、このショートカットキー経由で起動した場合は、即座に切り取りモードが開始されるため、待ち時間の設定を行うことができません。
時間差を利用した撮影を行いたい場合は、スタートメニューなどからSnipping Toolのアプリ本体を起動してから操作を行う必要があります。
まとめ
Windows 11のSnipping Toolにある待ち時間機能を利用することで、タイミングが難しい画面のキャプチャもスムーズに行うことができます。右クリックメニューやポップアップなど、通常の操作では撮影しにくい要素を記録したい場合は、この遅延撮影の手順を活用してみてください。