【Windows 11】Microsoft Copilotでできること・使い方

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Windows 11には、生成AIを活用した強力なアシスタント機能「Copilot」が標準搭載されています。
この機能を使用することで、日常の情報検索から複雑な文書作成、さらにはPCの設定変更までを、自然な会話形式で効率的に行うことができます。
当記事では、Windows 11におけるCopilotの具体的な機能や活用シーン、基本的な使い方、利用する上で知っておきたいポイントについて解説します。

Copilot in Windowsとは

Copilot in Windows(現在は単にMicrosoft Copilotとも呼ばれます)は、Windows 11に統合されたAIアシスタントです。OpenAIが開発したGPT-5系などの高度な大規模言語モデル(LLM)を基盤としており、ユーザーが入力したテキストや音声による指示(プロンプト)を理解し、適切な応答や操作を実行します。

従来の検索エンジンが「キーワードに対してWebページへのリンクを提示する」のに対し、Copilotは「ユーザーの意図を汲み取り、情報を整理して直接回答を作成する」点が大きな違いです。また、Windows OS自体と連携しているため、OSの機能呼び出しやアプリの操作をサポートすることもできます。

Windows 11のCopilotでできること

Copilotを活用することで、作業効率を向上させる様々なタスクを実行できます。ここでは主な機能を具体例とともに紹介します。

1. 高度な情報検索と質問への回答

日常的な疑問から専門的な調査まで、チャット形式で質問を投げかけることができます。CopilotはBing検索エンジンと連携し、Web上の最新情報を参照して回答を生成します。

  • 最新情報の取得:「今日の東京の天気と服装のアドバイスを教えて」「現在の円ドル相場は?」といったリアルタイム性が求められる情報に対応します。
  • 情報の要約と整理:「Windows 11の主な新機能を3つのポイントでまとめて」「〇〇というニュースの概要を教えて」など、膨大な情報を分かりやすく整理させることができます。
  • 出典の明示:回答には参照元のWebサイトへのリンクが付与されるため、情報の信頼性をユーザー自身で確認することが容易です。

2. 文章の作成と推敲

ビジネス文書から創作的なテキストまで、あらゆる種類の文章作成をサポートします。ゼロからの作成だけでなく、既存の文章の修正やトーンの変更も可能です。

  • メールの作成:「取引先に送る日程調整のメールを作成して。丁寧なトーンで」と指示すれば、適切な文面を提案します。
  • ブログやレポートの構成:「テレワークのメリットについて書くブログ記事の構成案を作って」と依頼すると、見出しや要点の案を提示します。
  • 要約と書き換え:長文のレポートを貼り付けて「要約して」と指示したり、「もっと親しみやすい文章に書き直して」とスタイル変更を依頼したりできます。

3. 画像の生成(Designer連携)

テキストによる指示(プロンプト)で、画像を生成できます。

  • イメージの具現化:「夕暮れのカフェで読書をする猫のイラスト、水彩画風で」といった具体的な指示を出すことで、数枚の画像バリエーションが生成されます。
  • 資料用素材の作成:プレゼンテーション資料の挿絵や、ブログのアイキャッチ画像などを作成できます。

※作成した画像を商用利用する場合は、最新のMicrosoftの規約を確認してください。

4. PC設定の変更とアプリの操作

Windows 11ならではの機能として、OSの設定変更やアプリの起動を自然言語で指示できます。設定画面の階層深くを探す手間が省けます。
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※この「Copilot アクション」機能は、現在(2025年12月現在)、下記のユーザーのみが使用することができます。
・欧州経済領域 (EEA)、ブラジル、カナダ、韓国、スイス、英国、ベトナムを除く全世界のサインイン済み Copilot ユーザー、既存の Copilot Pro サブスクリプション ユーザー、および Microsoft 365 Premium サブスクリプション ユーザーが利用できます。ユーザーは個人用の Microsoft アカウントでサインインする必要があります。
・Windows Insider Program に登録済みのユーザーで、最新の更新プログラムを使用していること。
・上記の条件を満たし、Copilot画面で、[Copilot にメッセージを送る] テキスト ボックスのチャット モード メニューの [応答オプション] ドロップダウンで [アクション] を選択すると、Copilot アクションを呼び出すことができます。
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※Copilotの機能は随時更新等されるため、下記のことが実際にできるかどうかは、本格利用をする前に必ず試してみてください。

  • システム設定の変更:
    • 「ダークモードにして」または「ライトモードにして」
    • 「音量をミュートにして」
    • 「バッテリーセーバーをオンにして」
    • 「Bluetoothをオンにして」
  • アプリの起動と操作:
    • 「メモ帳を開いて」
    • 「電卓を起動して」
    • 「スクリーンショットを撮って」(Snipping Toolが起動します)
    • 「フォーカスセッションを開始して」(時計アプリの機能が呼び出されます)
  • トラブルシューティング:「音が聞こえない」「Wi-Fiに繋がらない」と入力すると、関連するトラブルシューティングツールを案内したり、解決策を提示したりします。

5. Microsoft EdgeでのWebページ要約

Webブラウザ「Microsoft Edge」のCopilotを使用して(ブラウザ画面右上のCopilotアイコンをクリックすると、ブラウザ画面右側にCopilot画面が開きます)、現在開いているWebページの内容を即座に処理できます。

  • ページの要約:長いニュース記事や論文を表示した状態でCopilotパネルを開き、「このページを要約して」と指示すると、主要なポイントを箇条書きでまとめます。
  • ページ内容への質問:「このページに書かれている〇〇の価格は?」など、ページ内の特定情報について質問して回答を得ることができます。PDFファイルを開いている場合も同様の操作が可能です。

Copilotの使い方

Windows 11でCopilotをスムーズに利用するための手順を解説します。

起動方法

利用環境やPCの機種に応じて、いくつかの起動方法があります。

  • タスクバーから起動:タスクバー(画面下部)にあるCopilotのアイコンをクリックします。
  • キーボードショートカット:「Windowsロゴキー + C」を押します。これが最も一般的なショートカットです。
  • 専用キー(Copilotキー):最新の「Copilot+ PC」や一部の新しいキーボードには、専用のCopilotキーが搭載されており、これを押すと起動します。

起動すると、以前は画面右側にサイドバーとして固定されていましたが、最近のアップデートにより、通常のアプリケーションウィンドウのように動作するようになりました。ウィンドウのサイズ変更や移動、最大化が可能で、他のアプリと並べて作業しやすくなっています。

基本操作の流れ

  1. プロンプトの入力:ウィンドウ下部の入力ボックスに、やりたいことや質問を入力します。音声入力アイコンをクリックすれば、マイクを使って話しかけることもできます。
  2. 回答の確認と対話:AIからの回答が表示されます。回答が不十分な場合や、さらに詳しく知りたい場合は、続けて質問を入力します。
  3. 新しいトピック:現在の会話脈絡をリセットして新しい話題に移る場合は、画面左上の「ホーム」アイコンをクリックします(または入力欄の「+」-「新しい会話」をクリックします)。これにより、AIの記憶がクリアされ、スムーズに次の話題に入れます。

利用時の注意点とコツ

Copilotを効果的に活用するために、いくつかの注意点があります。

インターネット接続が必須

Copilotの処理はクラウド上のサーバーで行われるため、常時インターネット接続が必要です。オフライン環境では機能しません。

情報の正確性確認(ファクトチェック)

生成AIは高性能ですが、稀に事実と異なる情報(ハルシネーション)を出力することがあります。特に医療、法律、金融などの重要な判断に関わる情報については、Copilotの回答を鵜呑みにせず、必ず提示された参照元リンクや公式サイトで裏付けを取るようにしてください。

Microsoftアカウントでのサインイン

Copilotはサインインなしでも一部利用可能ですが、機能に制限がかかります。画像の生成や、より長い会話、履歴の保存などのフル機能を利用するには、Microsoftアカウントでのサインインが推奨されます。

プロンプトの工夫

AIからより良い回答を引き出すには、指示の出し方(プロンプトエンジニアリング)が重要です。「誰に向けて」「どのような形式で」「どのくらいの長さで」といった条件を具体的に指定することで、期待通りの結果が得られやすくなります。

例:「Windows 11のメリットを教えて」ではなく、「Windows 10ユーザーに向けて、Windows 11にアップグレードするメリットを、箇条書きで3つ、初心者にもわかりやすく教えて」と指示すると、より精度の高い回答が得られます。

まとめ

Windows 11のCopilotは、単なる検索ツールを超え、ユーザーの創造性や生産性を支援するパートナーです。
文章作成、画像生成、PC操作の効率化など、その機能は多岐にわたります。
まずは日常のちょっとした調べ物や設定変更から使い始め、徐々に自分なりの活用法を見つけていくことをおすすめします。
テクノロジーの進化に合わせてCopilotの機能も日々アップデートされているため、新しい機能を試しながら、快適なデジタルライフに役立ててみてください。