今回は、Windows 11で進化したエクスプローラーの新機能と便利な使い方を紹介します。
Windows 11にアップグレードした方や、新しくWindows 11搭載PCを購入した方にとって、日常的に使用するエクスプローラーの変更点や効率的な操作方法を知ることは、作業効率の向上につながります。
2022年以降追加されたタブ機能や2023年に導入されたギャラリー表示など、Windows 10から進化した点を中心に解説していきます。
Windows 11のエクスプローラーとは
エクスプローラーは、Windowsに搭載されているファイル管理アプリケーションです。フォルダやファイルの閲覧、移動、コピー、削除など、PCでのファイル操作に欠かせない機能を提供しています。Windows 11では、デザインが刷新され、操作性も向上しました。
Windows 10からWindows 11に移行した場合、最初に気づく変更点はリボンインターフェースの廃止です。代わりにシンプルなコマンドバーが採用され、よく使う機能がアイコン表示されるようになりました。また、全体的なデザインも「Fluent Design System」に基づいたモダンなスタイルに変更されています。
Windows 11エクスプローラーの主な新機能
タブ機能
Windows 11の注目すべき新機能の一つが「タブ機能」です。この機能は2022年10月の更新(Windows 11 22H2の累積更新プログラム)で導入されました。これまでは複数のフォルダを開く場合、別々のウィンドウで開く必要がありましたが、タブ機能によって1つのウィンドウ内で複数のフォルダを切り替えられるようになりました。
新しいタブを開くには、タブバーの「+」ボタンをクリックするか、キーボードショートカット「Ctrl + T」を使用します。タブの切り替えは「Ctrl + 数字キー」で行え、例えば「Ctrl + 1」で左から1番目のタブに移動します。タブを閉じるには「×」ボタンか「Ctrl + W」を使用します。
また、2023年9月の更新では、タブ機能がさらに強化されました。タブをドラッグ&ドロップすることで、別のウィンドウとして分離したり、逆に別ウィンドウのタブを統合したりできるようになり、複数ファイルの管理がより柔軟になりました。タブを分離するには、タブをドラッグしてデスクトップの何もない場所で離します。タブを統合するには、あるウィンドウのタブを別のウィンドウのタブバー部分にドラッグ&ドロップします。
ギャラリー機能
2023年9月の更新(Windows 11 23H2)で追加された「ギャラリー」機能は、エクスプローラー内で写真を効率的に管理できる新機能です。ナビゲーションウィンドウ(画面左側)の「ギャラリー」をクリックすると、デバイス内の写真がサムネイル表示され、素早く閲覧できます。
ギャラリー機能の特徴は、複数のフォルダーにまたがる写真を一箇所で表示できる点です。既定では「ピクチャ」フォルダー内の画像が表示されますが、「コレクションの管理」から表示するフォルダーを追加できます。また、画面右側には時系列スライダーが表示され、特定の時期に撮影した写真に素早くアクセス可能です。
この機能はスマートフォンやOneDriveと連携することで、デバイスをまたいだ写真管理も可能になります。OneDriveモバイルアプリをインストールして同じMicrosoftアカウントで同期すれば、スマートフォンで撮影した写真もPCのエクスプローラーから閲覧できます。ギャラリーに表示するフォルダーをカスタマイズするには、ギャラリー表示時に「コレクション」メニューから「コレクションの管理」を選択し、フォルダーの追加や削除を行います。
アドレスバーとコマンドバーの変更
Windows 11の2023年9月の更新では、エクスプローラーのアドレスバーとコマンドバーの位置が入れ替わりました。アドレスバーがウィンドウ上部に移動し、タブのすぐ下に表示されるようになりました。これにより、ファイルパスの確認や編集が視覚的にわかりやすくなっています。
また、右クリックメニューもシンプルになり、よく使う機能がアイコン表示されるようになりました。Windows 10で表示されていたメニューが見当たらない場合は、「その他のオプションを確認」をクリックすることで、従来通りの右クリックメニューを表示できます。
詳細ウィンドウとプレビューウィンドウ
ファイルの詳細情報を素早く確認するための「詳細ウィンドウ」や、ファイルの内容をプレビューする「プレビューウィンドウ」へのアクセスも改善されました。これらの機能はコマンドバーのボタンから素早く表示できるようになり、ファイル情報の確認がスムーズになりました。特に2023年の更新でギャラリービュー時の詳細ウィンドウは刷新され、写真のメタデータ確認や共有がより簡単になっています。
Windows 11エクスプローラーを使いこなすためのヒント
コンパクトモードの活用
Windows 11のエクスプローラーでは、アイテム間のスペースが広くなり、見やすくなった一方で、一度に表示できる項目数が少なくなっています。より多くの項目を表示したい場合は「コンパクトモード」が役立ちます。
コンパクトモードを有効にするには、エクスプローラーの「表示」メニューから「コンパクトビュー」を選択するか、「…(もっと見る)」→「オプション」→「フォルダーオプション」の「表示」タブで「項目感のスペースを減らす(コンパクトビュー)」にチェックを入れます。これにより、Windows 10に近い項目間隔で表示できるようになります。
クイックアクセスとホーム画面のカスタマイズ
Windows 11のエクスプローラーでは、「ホーム」画面が強化されました。「クイックアクセス」(クイックアクセスにピン留めしたフォルダは「ホーム」の下に表示される)や「お気に入り」、「最近使用した項目」が表示され、よく使うファイルやフォルダーに素早くアクセスできます。
よく使うフォルダーは「クイックアクセス」に、ファイルは「お気に入り」に登録しておくと便利です。フォルダーを登録するには、フォルダーを右クリックして「クイックアクセスにピン留めする」を選択します。ファイルを登録するには、ファイルを右クリックして「お気に入りに追加」を選択します。
※エクスプローラーのメニューにある「…(もっと見る)」→「オプション」→「フォルダーオプション」の「全般」タブの「最近使用したファイルを表示する」と「頻繁に使用されるフォルダーを表示する」にチェックを入れても、「ホーム」に「お気に入り」に追加したファイルが表示されないことがあります。ファイルを右クリックして「お気に入りに追加」をクリックしても、お気に入りに追加されていない(再度ファイルを右クリックすると「お気に入りに追加」が表示される)ことが原因のようですが、詳細は不明です。
便利なキーボードショートカット
エクスプローラーをより効率的に使うためには、キーボードショートカットを覚えておくと便利です。
- 「Ctrl + T」:新しいタブを開く
- 「Ctrl + W」:現在のタブを閉じる
- 「Ctrl + 数字キー」:指定した番号のタブに切り替える
- 「Alt + D」:アドレスバーにフォーカスを移動
- 「F2」:選択したファイル/フォルダーの名前変更
- 「F3」:検索ボックスにフォーカスを移動
- 「Ctrl + Shift + N」:新しいフォルダーを作成
表示オプションのカスタマイズ
エクスプローラーの表示方法は、作業内容に応じてカスタマイズすることが効果的です。「表示」メニューから、「特大アイコン」、「大アイコン」、「中アイコン」、「小アイコン」、「一覧」、「詳細」、「並べて表示」、「コンテンツ」といった表示形式を選択できます。
また、「表示」メニューでは、「項目チェックボックス」、「ファイル名拡張子」、「隠しファイル」の表示/非表示も切り替えられます。特に「ファイル名拡張子」の表示は、ファイルの種類を視覚的に確認できるため、オンにしておくことが推奨されます。
まとめ
Windows 11のエクスプローラーは、タブ機能やギャラリー表示など、多くの新機能が追加され、使い勝手が向上しています。また、デザインも刷新され、全体的に洗練された印象になりました。
最初は操作感が変わって戸惑うこともあるかもしれませんが、コンパクトモードの活用やキーボードショートカットの習得など、ちょっとした工夫でより効率的に使いこなせるようになります。
当記事で紹介した機能やヒントを活用して、Windows 11のエクスプローラーを使いこなしてみてください。