今回は、Windows 11で休止状態を有効化し、スタートメニューの電源メニューから選べるようにする方法を紹介します。Windows 11の初期状態では、電源メニューに「スリープ」「シャットダウン」「再起動」しか並んでいないことが多く、休止状態の存在に気付かないまま使っている方も少なくありません。作業中のウィンドウを開いたまま電源を切りたいときに便利な機能なので、スリープとの違いや、有効にできないときの確認方法とあわせてまとめました。
休止状態とはどのような機能か
休止状態は、作業中のメモリの内容をストレージに書き出してから電源を切る機能です。次に電源を入れると、保存しておいた内容が読み込まれ、開いていたアプリやファイルが元の状態で表示されます。
スリープ・シャットダウンとの違い
3つの電源操作は、それぞれ次のような特徴があります。
- スリープ:メモリに通電したまま待機する状態です。復帰は速いものの、待機中も少しずつ電力を使います。
- 休止状態:メモリの内容をストレージに保存して電源を切ります。待機中の電力はほとんど使わず、作業状態も維持できます。復帰にはスリープより時間がかかります。
- シャットダウン:アプリをすべて終了して電源を切ります。次回は何も開いていない状態から始まります。
休止状態は、スリープとシャットダウンの中間にあたる使い方ができる機能と考えると分かりやすいでしょう。
休止状態が役立つ場面
- ノートパソコンを数日間使わないが、作業中のウィンドウはそのまま残しておきたいとき
- カバンに入れて持ち運ぶ際に、バッテリーの減りを抑えたいとき
- スリープ中にバッテリーが減っていて、使いたいときに残量が少なくなっていたことがあるとき
- デスクトップパソコンで、席を長時間離れる間の消費電力を抑えたいとき
休止状態が使えるかどうかを確認する
休止状態はすべてのパソコンで使えるとは限りません。機器の構成やファームウェアの設定によっては利用できない場合があるため、設定を変える前にパソコンが休止状態に対応しているかを確認しておくと安心です。
powercfgコマンドで確認する手順
- スタートボタンを右クリックし、「ターミナル」を選びます。
- 次のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
powercfg /a - 「このシステムでは次のスリープ状態が利用可能です」の一覧に「休止状態」があれば、休止状態を使えます。
「利用できない」側に休止状態が表示されている場合は、その下に理由が表示されます。「休止状態は有効になっていません」といった内容であれば、次の手順で有効にできる可能性があります。ハードウェアやファームウェアが対応していない旨の表示であれば、設定だけでは使えるようにならないことがあります。
休止状態の機能そのものを有効にする
powercfg /a の結果で休止状態が無効になっていた場合は、管理者権限のコマンドで機能をオンにします。
- スタートボタンを右クリックし、「ターミナル(管理者)」を選びます。
- ユーザーアカウント制御の確認が表示されたら「はい」を選びます。
- 次のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
powercfg /hibernate on - もう一度 powercfg /a を実行し、利用可能な一覧に休止状態が加わったかを確認します。
機能を元に戻したい場合は、同じく管理者権限で powercfg /hibernate off を実行します。
電源メニューに休止状態を表示する
機能を有効にしただけでは、スタートメニューの電源ボタンに休止状態が並ばないことがあります。表示させるには、コントロールパネルの電源オプションで設定します。
電源オプションでの設定手順
- スタートメニューの検索欄に「コントロールパネル」と入力して開きます。
- 「ハードウェアとサウンド」→「電源オプション」の順に進みます。
- 左側の「電源ボタンの動作を選択する」をクリックします。
- 画面上部の「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックします。
- 下部の「シャットダウン設定」にある「休止状態」にチェックを入れます。
- 「変更の保存」をクリックします。
設定後、スタートメニューの電源ボタンをクリックすると、「スリープ」「休止状態」「シャットダウン」「再起動」が並ぶようになります。
電源ボタンやカバーを閉じる操作に割り当てる
同じ「電源ボタンの動作を選択する」画面では、パソコン本体の電源ボタンを押したときや、ノートパソコンのカバーを閉じたときの動作も選べます。「電源ボタンを押したときの動作」を「休止状態」にしておけば、ボタンを1回押すだけで作業状態を保存して電源を切れます。ノートパソコンでは、バッテリー駆動時と電源接続時で別々に設定できるため、たとえば「バッテリー駆動時にカバーを閉じたら休止状態、電源接続時はスリープ」といった使い分けもできます。
休止状態を上手に使うためのコツ
一定時間後に自動で休止状態へ切り替える
スリープしたまま長時間放置すると、ノートパソコンではバッテリーが減っていきます。電源プランの詳細設定で「次の時間が経過後休止状態にする」を指定しておくと、スリープから一定時間が過ぎた時点で自動的に休止状態へ移行させられます。
- コントロールパネルの「電源オプション」を開きます。
- 使用中の電源プランの「プラン設定の変更」をクリックします。
- 「詳細な電源設定の変更」をクリックします。
- 「スリープ」→「次の時間が経過後休止状態にする」を展開し、時間を指定します。
この項目は、機器によっては表示されないことがあります。表示されない場合は、休止状態を手動で使うか、電源ボタンへの割り当てで対応するとよいでしょう。
ストレージの空き容量に注意する
休止状態を有効にすると、メモリの内容を書き込むためのhiberfil.sysというファイルがシステムドライブに作成されます。このファイルは搭載メモリの量に応じてある程度の容量を使います。Cドライブの空きが少ない場合は、休止状態を有効にしたあとに空き容量を確認しておくと安心です。
定期的に再起動もする
休止状態はアプリを開いたまま電源を切るため、使い続けるとWindowsそのものが長期間再起動されない状態になりがちです。更新プログラムの適用や動作の安定のために、ときどきは再起動やシャットダウンも行うようにしましょう。
高速スタートアップとの関係
Windowsの「高速スタートアップ」も、休止状態の仕組みを利用して起動時間を短くしています。そのため、powercfg /hibernate off で休止状態を無効にすると、高速スタートアップも使えなくなります。起動の速さを保ちたい場合は、機能をオフにする前にこの点を考慮してください。
休止状態が使えないときの確認ポイント
- 管理者権限で実行しているか:powercfg /hibernate on は、通常のターミナルでは実行できません。「ターミナル(管理者)」から実行します。
- 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックしたか:この操作をしないと、シャットダウン設定のチェックボックスが変更できない状態のままです。
- powercfg /a に表示される理由:ハードウェアやファームウェアが原因と表示される場合は、パソコンメーカーのサポート情報を確認します。
- 組織で管理されているパソコン:会社や学校のパソコンでは、管理者のポリシーで電源設定が制限されていることがあります。その場合は管理者に相談します。
まとめ
Windows 11の休止状態は、作業状態を保ったまま電力をほとんど使わずに待機できる機能です。初期状態では電源メニューに表示されないことが多いものの、次の流れで使えるようになります。
- powercfg /a で休止状態が利用できるかを確認する
- 必要に応じて管理者権限で powercfg /hibernate on を実行する
- 電源オプションの「電源ボタンの動作を選択する」で「休止状態」にチェックを入れる
あわせて、電源ボタンやカバーを閉じたときの動作への割り当て、スリープからの自動移行を設定しておくと、ノートパソコンを持ち運ぶときのバッテリー管理がしやすくなります。ストレージの空き容量や定期的な再起動にも気を配りながら、スリープやシャットダウンと使い分けてみてください。