今回は、Windows 11の「リモートデスクトップ」を使って、離れた場所にあるパソコンへ接続するための設定方法を紹介します。
自宅の書斎にあるデスクトップPCをリビングのノートPCから操作したい、別の部屋にあるパソコンのファイルを取り出したいといった場面で、リモートデスクトップは役立ちます。接続すると、相手のパソコンの画面が手元に表示され、目の前に座っているのと同じ感覚でアプリやファイルを扱えます。ここでは、接続される側(リモートPC)の準備から、接続する側の操作、快適に使うためのコツまでを順に説明します。
Windows 11でリモートデスクトップを使う前の確認
接続される側はPro以上のエディションが必要
リモートデスクトップを使う前に、まず確認しておきたいのがWindowsのエディションです。接続される側(リモートPC)は、Windows 11 Proなどのエディションである必要があります。Windows 11 Homeは、接続される側として使うことができません。
一方、接続する側(クライアント)は、HomeでもProでも利用できます。Windows以外にも、Mac、iPhone、iPad、Androidなどから接続するためのアプリが用意されています。
エディションの確認方法
- リモートPCで「スタート」から「設定」を開きます。
- 「システム」を選び、一覧の下の方にある「バージョン情報」を選択します。
- 「Windows の仕様」にある「エディション」の表記を確認します。
ここに「Windows 11 Pro」と表示されていれば、リモートデスクトップの接続先として設定できます。
接続される側(リモートPC)の設定手順
リモートデスクトップを有効にする
- 「スタート」から「設定」を開きます。
- 「システム」を選び、「リモート デスクトップ」を選択します。
- 「リモート デスクトップ」のスイッチをオンにします。
- 確認の画面が表示されたら「確認」を選択します。
- 同じ画面に表示されている「PC 名」をメモしておきます。接続する際に必要になります。
PC名が「DESKTOP-」から始まる分かりにくい名前の場合は、「設定」の「システム」にある「バージョン情報」から名前を変更しておくと、接続時に入力しやすくなります。
ネットワークレベル認証はオンのままにする
リモートデスクトップの設定画面には、接続時にネットワークレベル認証(NLA)を求める項目があります。これは、リモートセッションを開始する前にユーザーの認証を済ませる仕組みです。安全性を保つため、特別な理由がなければオンのまま使うのがおすすめです。
接続できるユーザーを確認する
同じ画面の「リモート デスクトップ ユーザー」から、リモート接続を許可するユーザーを管理できます。リモートPCの管理者アカウントは標準で接続が許可されています。家族の標準ユーザーアカウントなどで接続したい場合は、ここでユーザーを追加します。必要のないアカウントは追加しないようにしておくと安心です。
スリープの設定を見直す
リモートPCがスリープや休止状態になっていると、通常は接続できません。リモート接続を使う時間帯は、スリープに入らない設定にしておくとスムーズです。「設定」の「システム」にある「電源とバッテリー」(または「電源」)から、画面とスリープの時間を調整できます。ただし、常にスリープしない設定にすると電気代がかかるため、使い方に合わせて調整しましょう。
接続する側からリモートPCにつなぐ手順
WindowsのPCから接続する
- タスクバーの検索ボックスに「リモート デスクトップ接続」と入力し、アプリを開きます。Windows キー + R を押して「mstsc」と入力しても起動できます。
- 「コンピューター」の欄に、メモしておいたリモートPCのPC名を入力します。
- 「接続」を選択します。
- リモートPCのアカウントのユーザー名とパスワードを入力してサインインします。
初めて接続するときは、証明書に関する確認メッセージが表示されることがあります。接続先が自分のパソコンであることを確かめたうえで進めましょう。
サインイン時のポイント
リモートPCにMicrosoftアカウントでサインインしている場合は、Microsoftアカウントのメールアドレスとパスワードを入力します。普段PINや顔認証でサインインしていても、リモートデスクトップの接続ではパスワードを求められるのが一般的です。パスワードを忘れていると接続できないため、事前に確認しておきましょう。
Windows以外の機器から接続する
MacやiPhone、iPadからは、App Storeで入手できるMicrosoftの「Windows App」を使います。Androidからは、Google Playで提供されているMicrosoftのリモートデスクトップアプリを使います。いずれも、アプリでリモートPCのPC名を追加し、一覧から選んで接続する流れです。
リモートデスクトップを快適に使うためのコツ
接続設定を保存しておく
「リモート デスクトップ接続」の画面で「オプションの表示」を選ぶと、細かな設定ができます。「全般」タブの「名前を付けて保存」を使うと、接続先の情報をファイルとして保存できます。保存したファイルをダブルクリックするだけで同じ設定で接続できるため、毎回入力する手間が省けます。
画面サイズや通信状況に合わせて調整する
- 画面タブ:リモート画面の解像度や色の設定を変更できます。手元の画面より小さいサイズで表示したいときに便利です。
- エクスペリエンスタブ:通信速度に合わせて、デスクトップの背景や視覚効果の表示を調整できます。動作が重いと感じたら、表示を軽くする設定を試してみましょう。
手元の機器と連携させる
「ローカル リソース」タブでは、クリップボードやプリンター、手元のドライブをリモートPCと共有するかを設定できます。クリップボードを共有しておくと、手元とリモートPCの間で文字のコピーと貼り付けができます。「詳細」からドライブを選んでおくと、リモートPCの中から手元のドライブにアクセスでき、ファイルの受け渡しがしやすくなります。
覚えておくと便利なキー操作
- Ctrl + Alt + End:リモートPC側で Ctrl + Alt + Delete の画面を表示します。パスワード変更やタスクマネージャーを開くときに使います。
- Ctrl + Alt + Break:全画面表示とウィンドウ表示を切り替えます。
全画面表示中は、画面上部に表示される接続バーから最小化や切断の操作ができます。
安全に使うための注意点
- パスワードは推測されにくいものにする:リモート接続はアカウントのパスワードで認証されるため、短いパスワードや使い回しは避けましょう。
- インターネットに直接公開しない:ルーターの設定でリモートデスクトップの通信をそのまま外部に開放すると、不正アクセスを受けるおそれがあります。外出先から自宅のPCに接続したい場合は、VPNを経由するなど、安全な方法を検討しましょう。
- 使わないときはオフにする:リモートデスクトップを使う予定がない期間は、設定でスイッチをオフにしておくと安心です。
- Windows Updateを適用しておく:リモートPC・接続する側の両方を最新の状態に保ちましょう。
接続できないときの確認ポイント
- リモートPCの電源が入っていて、スリープになっていないか
- リモートPCで「リモート デスクトップ」がオンになっているか
- 入力したPC名に誤りがないか
- 両方のパソコンが同じネットワークにつながっているか
- ネットワークプロファイルやセキュリティソフトの設定で通信が制限されていないか
PC名で接続できない場合は、リモートPCのIPアドレスを入力して試す方法もあります。
まとめ
Windows 11のリモートデスクトップを使うと、別の場所にあるパソコンを手元から操作できます。設定のポイントを振り返っておきましょう。
- 接続される側はWindows 11 Proなどのエディションが必要で、接続する側はHomeでも利用できる
- 「設定」の「システム」から「リモート デスクトップ」をオンにし、PC名を控えておく
- 接続する側は「リモート デスクトップ接続」(mstsc)でPC名を入力して接続する
- Microsoftアカウントの場合は、PINではなくパスワードでサインインする
- 接続設定の保存やクリップボードの共有を活用すると、日々の操作が楽になる
- インターネットへの直接公開は避け、強いパスワードと最新の更新で安全を保つ
最初の設定さえ済ませておけば、家の中で別のパソコンを使いたいときにすぐ接続できます。使い方に合わせて表示や共有の設定を調整し、自分にとって使いやすい環境を整えてみてください。