【Windows 11】メモリ使用量の最適化と快適な動作を実現する方法

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今回は、Windows 11のメモリ使用量について解説します。
オペレーティングシステムの性能を最大限に引き出し、快適な作業環境を実現するためのメモリ管理のコツや、推奨されるメモリ容量、高メモリ使用率の問題に対する解決策を紹介します。

Windows 11のメモリ要件と推奨容量:実用的な選択肢

Windows 11を円滑に動作させるためには、適切なメモリ容量の選択が極めて重要です。Microsoftが公式に定める最小メモリ要件は4GBですが、実際の使用シーンではこれでは不十分な場合が多々あります。

最小要件(4GB): 4GBのメモリでWindows 11は確かに起動しますが、複数のアプリケーションの同時使用や、リソース集約型タスクの実行は困難を極めます。基本的なウェブブラウジングや文書作成といった軽量作業に限定されるでしょう。

推奨容量(8GB以上): 実用的な使用環境を構築するには、少なくとも8GB以上のメモリが推奨されます。この容量があれば、一般的な作業やマルチタスキングをストレスなく行うことが可能になります。

快適な使用環境(16GB以上): より快適で高度な作業環境を求める場合、特に画像・動画編集、3Dモデリング、ゲーミングなどリソースを大量に消費するタスクを行う場合は、16GB以上のメモリ搭載が推奨されます。

Windows 11の高メモリ使用率への対策

高メモリ使用率の主な原因と効果的な対策

Windows 11で高メモリ使用率に直面した場合、いくつかの要因が考えられます。主な原因と、それに対する効果的な対策を以下に紹介します:

1. ファイルエクスプローラーの挙動

Windows 11のファイルエクスプローラーが、使用中やバックグラウンドでの活動時にメモリ使用量を急激に増加させることがあります。Microsoftは、この問題に対する修正プログラムの開発を進めています。

2. 多数のアプリケーションやプロセスの並行実行

ユーザーが直接操作しているプログラムだけでなく、バックグラウンドで自動的に動作するプロセスも含め、多くのアプリケーションが同時に稼働していると、メモリを大量に消費します。

対策:不要なアプリケーションの終了と最適化

  1. タスクマネージャーを起動(Ctrl + Shift + Escキー)
  2. 「プロセス」タブでメモリ使用量順にソートし、状況を把握
  3. 不要なアプリケーションを選択し、「タスクの終了」を実行

対策:スタートアップアプリの最適化

システム起動時に自動的に実行されるアプリケーションを精査し、必要最小限に抑えることで、初期メモリ負荷を大幅に軽減できます。

  1. タスクマネージャーを開く
  2. 「スタートアップ アプリ」タブを選択
  3. 不要と判断したアプリケーションを右クリックし、「無効化」をクリック

Windows 11のメモリ最適化機能と高度なテクニック

メモリ圧縮機能の活用

Windows 11は、前世代のWindows 10から引き継いだメモリ圧縮機能を搭載しています。この機能は、メモリ内に専用の領域を確保し、ページイン(読み込み)・ページアウト(待避)のプロセスを高速化することで、システム全体のパフォーマンスを向上させます。

ただし、注意すべき点として、圧縮・伸張処理を担うMemory Compressionプロセスがプロセッサーに追加の負荷をかけ、場合によっては逆に性能低下を招く可能性があります。そのため、システムの状況に応じて、この機能の有効・無効を適切に切り替えることが必要です。

仮想メモリの最適化とその他のテクニック

Windows 11の仮想メモリを最適に設定することで、システムのパフォーマンスを更に向上させることが可能です。仮想メモリは、物理メモリ(RAM)が不足した際に、ハードディスクやSSDの一部をメモリとして活用する機能です。

仮想メモリの設定を最適化するための手順:

  1. 「設定」→「システム」を開く
  2. 「バージョン情報」→「システムの詳細設定」を選択
  3. 「詳細設定」タブの「パフォーマンス」セクションで「設定」をクリック
  4. 「詳細設定」タブを選択し、「仮想メモリ」セクションで「変更」をクリック
  5. 「すべてのドライブのページングファイルのサイズを自動的に管理する」のチェックを解除し、カスタム設定を行う

追加のメモリ最適化テクニック

1. ストレージデバイスのメンテナンス

HDDを使用している場合、定期的なデフラグメンテーションによってメモリ環境を整備できます。一方、SSDを使用している場合はデフラグは行わず、代わりにTRIM機能の活用が推奨されます。

2. セキュリティ対策の徹底

マルウェアやウイルスがシステムリソースを不正に消費している可能性を排除するため、定期的かつ包括的なウイルススキャンの実施が推奨されます。

3. システムの最新化

最新のWindows Updateを適用することで、メモリ管理に関する改善や重要な修正も行われる可能性があります。システムを常に最新の状態に保つことが、安定性とパフォーマンスの維持に繋がります。

まとめ

Windows 11のメモリ使用量を適切に管理することは、システムの快適な動作に不可欠です。最小要件の4GBでは実用的な使用は難しく、8GB以上、できれば16GB以上のメモリを搭載することをお勧めします。高メモリ使用率に悩まされている場合は、不要なアプリケーションの終了、スタートアップアプリの最適化、仮想メモリの設定などの対策を試してみてください。

また、Windows 11に搭載されているメモリ圧縮機能や定期的なメンテナンス(デフラグ(HDDのみ)、ウイルススキャン、Windows Update)もメモリ管理の重要な要素です。

メモリ管理は継続的なプロセスであり、使用状況に応じて定期的に見直しと最適化を行うことが重要です。