Windows 11では、ファイル管理の中核となる「エクスプローラー」のデザインと機能が大きく刷新されました。従来のWindows 10までの使い勝手を継承しつつ、よりシンプルで直感的な操作が可能になっています。特に「タブ機能」の追加やメニュー周りの整理によって、作業効率を高めるための変更が多く施されています。
今回は、Windows 11のエクスプローラーの基本的な使い方から、知っておくと便利な設定、新機能の活用方法までを解説します。
Windows 11 エクスプローラーの主な変更点と特徴
Windows 11のエクスプローラーにおける最大の変更点は、ユーザーインターフェース(UI)の刷新です。視覚的なノイズを減らし、必要な機能に素早くアクセスできるように設計されています。
リボンUIからコマンドバーへの変更
Windows 8からWindows 10まで採用されていた「リボンUI」(上部に多くのアイコンやメニューが並ぶ形式)は廃止され、シンプルな「コマンドバー」に変更されました。コマンドバーには、「切り取り」「コピー」「貼り付け」「名前の変更」「共有」「削除」といった頻繁に使用する操作がアイコンとして配置されています。これにより、画面上部がすっきりと見やすくなり、作業スペースが広く確保されています。
タブ機能の導入
Webブラウザのように、一つのウィンドウ内で複数のフォルダを「タブ」として開くことができる機能が追加されました。これにより、複数のウィンドウを開いてデスクトップが散らかることを防ぎ、異なるフォルダ間のファイル移動やコピーが格段にスムーズになります。タブ機能は、Windows 11のアップデート(バージョン22H2以降)で利用可能です。
コンテキストメニュー(右クリックメニュー)の簡素化
ファイルやフォルダを右クリックした際に表示されるコンテキストメニューも新しくなりました。使用頻度の高いコマンドが優先的に表示され、アイコン化されることで視認性が向上しています。従来のすべてのメニュー項目を表示したい場合は、「その他のオプションを確認」を選択します。
エクスプローラーの基本操作と画面構成
エクスプローラーの画面は、主に以下の要素で構成されています。それぞれの役割を理解することで、効率的にファイルを管理できます。
- ナビゲーションウィンドウ:画面左側に表示される領域。「ホーム」「PC」「OneDrive」などの主要な場所へ素早くアクセスできます。
- アドレスバー:現在開いているフォルダのパスが表示されます。パスの一部をクリックして階層を移動したり、直接パスを入力して移動したりできます。
- 検索ボックス:アドレスバーの右側にあり、ファイルやフォルダをキーワードで検索できます。
- 詳細ウィンドウ/プレビューウィンドウ:設定により、選択したファイルのプロパティや内容のプレビューを画面右側に表示できます。
「ホーム」画面の活用
エクスプローラーを開くと、デフォルトで「ホーム」が表示されます。「ホーム」には、「クイックアクセス」(ピン留めしたフォルダ)、「お気に入り」(ピン留めしたファイル)、および「最近使用した項目」が表示されます。よく使うファイルやフォルダへのアクセスポイントとして機能します。
知っておくと便利な新機能と操作テクニック
Windows 11のエクスプローラーには、作業効率を上げるための便利な機能がいくつか搭載されています。
タブ機能の使い方
タブ機能を使いこなすことで、ウィンドウの乱立を防げます。
- 新しいタブを開く:タイトルバーの「+」ボタンをクリックするか、ショートカットキー「Ctrl + T」を使用します。また、フォルダをホイールクリック(中クリック)することでも、そのフォルダを新しいタブで開くことができます。
- タブの切り替え:タブをクリックするか、「Ctrl + Tab」キーで順番に切り替えられます。
- タブの移動とウィンドウ化:タブをドラッグ&ドロップして並び順を変更できます。また、タブをウィンドウの外へドラッグすると、そのタブを新しいウィンドウとして独立させることができます(※バージョンによっては、ウィンドウ間のタブ移動もサポートされています)。
- タブを閉じる:タブの「×」ボタンをクリックするか、ショートカットキー「Ctrl + W」を使用します。
おすすめの表示設定とカスタマイズ
デフォルトの設定でも十分に使えますが、少し設定を変更すると、ファイルの識別や管理がより容易になります。
ファイル名拡張子の表示
初期設定では、一般的なファイルの拡張子(.txt, .jpg, .docxなど)は非表示になっていますが、セキュリティの観点からも、拡張子を表示させておくことをおすすめします。拡張子を確認することで、そのファイルがどのような種類であるかを正確に把握でき、意図しない種類のファイル(例えば、実行ファイル(.exe)など)を誤って開くリスクを減らせます。
- エクスプローラー上部のコマンドバーにある「表示」をクリックします。
- 表示されたメニューの最下部にある「表示」にカーソルを合わせます。
- サブメニューから「ファイル名拡張子」をクリックしてチェックを入れます。
これで、すべてのファイル名の末尾に拡張子が表示されるようになります。
隠しファイルの表示
通常は表示されないシステムファイルや隠しフォルダを表示する必要がある場合も、同様の手順で設定できます。
- コマンドバーの「表示」をクリックします。
- 「表示」>「隠しファイル」を選択してチェックを入れます。
※隠しファイルには重要なシステム関連のファイルが含まれることが多いため、編集や削除を行う際は十分な注意が必要です。
表示形式の変更(詳細表示、アイコン表示)
フォルダ内のファイルの表示方法は、用途に合わせて切り替えると便利です。
- 詳細:ファイル名、更新日時、種類、サイズなどの情報をリスト形式で表示します。ファイルの整理や管理を行う際に最適です。
- 大アイコン/特大アイコン:画像や動画ファイルのサムネイル(縮小画像)を確認したい場合に便利です。
これらの切り替えは、コマンドバーの「表示」メニューから行えるほか、エクスプローラー右下のアイコンからも素早く切り替え可能です。
コンパクトビューの利用
Windows 11のエクスプローラーは、タッチ操作も考慮して項目間の余白が少し広めに設定されています。マウス操作が中心で、一度により多くのファイルを表示したい場合は、「コンパクトビュー」を有効にすると、余白が狭まり、一覧性が向上します。
- コマンドバーの「表示」をクリックします。
- 表示」>「コンパクトビュー」を選択してチェックを入れます。
知っておくと便利なショートカットキー
マウス操作だけでなく、キーボードショートカットを組み合わせることで、操作スピードが格段に上がります。エクスプローラーで頻繁に使うショートカットキーを紹介します。
- Win + E:エクスプローラーを起動する(新しいウィンドウを開く)
- Ctrl + T:新しいタブを開く
- Ctrl + W:現在のタブを閉じる
- Ctrl + Shift + N:新しいフォルダを作成する
- Alt + Enter:選択したファイルやフォルダのプロパティを表示する
- F2:選択したファイルやフォルダの名前を変更する
- Alt + P:プレビューウィンドウの表示/非表示を切り替える
- Backspace:一つ上の階層(親フォルダ)へ移動する(※設定やバージョンによる)または「Alt + ←」で戻る
高度な検索機能の活用
ファイルが見つからない場合、右上の検索ボックスが役立ちますが、単純なキーワード検索だけでなく、より高度な検索も可能です。
検索ボックスに入力する際、更新日時やサイズでフィルタリングすることができます。例えば、「更新日時:今週」と入力すると、今週更新されたファイルのみを抽出できます。
クイックアクセスとお気に入りの整理
「ホーム」画面をより使いやすくするために、頻繁に使う項目を整理しましょう。
フォルダをクイックアクセスにピン留めする
よく使うフォルダは、「クイックアクセス」にピン留めしておくと、ナビゲーションウィンドウからいつでもワンクリックでアクセスできます。
- 対象のフォルダを右クリックします。
- メニューから「クイックアクセスにピン留めする」を選択します(画鋲のアイコンが表示されている場合もあります)。
ピン留めを解除したい場合は、クイックアクセス内のフォルダを右クリックし、「クイックアクセスからピン留めを外す」を選択します。
ファイルをお気に入りに追加する
フォルダだけでなく、個別のファイルも「ホーム」画面の「お気に入り」セクションに追加できます。
- 対象のファイルを右クリックします。
- 「お気に入りに追加」を選択します。
OneDriveとの連携状態を確認する
Windows 11ではOneDriveが深く統合されており、エクスプローラー上でファイルの同期状態を簡単に確認できます。
ファイル一覧の「状態」列には、以下のアイコンが表示されます。
- 雲のアイコン:ファイルはクラウド上にのみあり、PCの容量を消費していません(開くときにダウンロードされます)。
- 緑のチェックマーク(白抜き):ファイルがデバイスにダウンロードされており、オフラインでも利用可能です。
- 緑のチェックマーク(塗りつぶし):「このデバイス上で常に保持する」設定になっており、常にオフラインで利用可能です。
- 矢印のサイクル:同期中です。
トラブルシューティング:エクスプローラーが応答しない場合
稀にエクスプローラーがフリーズしたり、動作が不安定になることがあります。その場合、PC全体を再起動する前に、エクスプローラーのみを再起動することで解決することがあります。
- タスクバーの「スタートボタン」を右クリックし、「タスクマネージャー」を選択します。
- 「プロセス」タブのリストから「エクスプローラー」を探します。
- 「エクスプローラー」を右クリックし、「再起動」を選択します。
一瞬タスクバーやデスクトップが消えますが、すぐに再表示されます(エクスプローラーは再表示されません)。これでエクスプローラーのプロセスがリセットされ、正常に動作するようになる可能性があります。
まとめ
Windows 11のエクスプローラーは、今回紹介したショートカットキーを使用したり表示設定を変えることで、より快適にファイル管理が行えるようになります。
ぜひ、当記事で紹介した設定変更などを行い、ご自身のパソコン環境に合わせてカスタマイズしてみてください。