【Windows 11】システム要件と確認方法

この記事は約6分で読めます。

今回は、Windows 11が使えるパソコンの最小システム要件や、手持ちのパソコンが対応しているかを確認する方法、要件を満たしていなかった場合の選択肢について解説します。

Windows 11の最小システム要件

Windows 11を安定して動作させ、セキュリティを維持するために、マイクロソフトは以下のハードウェア要件を定めています。これらの条件を満たさないパソコンには、原則としてWindows 11をインストールすることができません。

プロセッサ(CPU)

パソコンの頭脳にあたるCPUは、最も重要な要件の一つです。Windows 11では、1ギガヘルツ (GHz) 以上で動作する2コア以上の64ビット互換プロセッサ、またはSystem on a Chip (SoC) が必要です。

具体的には、以下の世代以降のCPUがサポート対象の目安となります。

  • Intel製: 第8世代 Core プロセッサ以降(一部の第7世代を含む)
  • AMD製: Ryzen 2000 シリーズ以降

32ビット版のWindows 11は提供されていないため、64ビットプロセッサが必須となります。古いCPUではセキュリティ機能やパフォーマンスの面でWindows 11の基準を満たせないため、足切りラインが比較的新しく設定されています。

メモリ(RAM)

4ギガバイト (GB) 以上のメモリが必要です。Windows 10では32ビット版で1GB、64ビット版で2GBが最小要件でしたが、Windows 11ではより多くのメモリが求められます。快適な動作のためには、8GB以上の搭載が推奨される場合が多いですが、最小要件としては4GBです。

ストレージ(記憶装置)

64GB以上のストレージ容量が必要です。HDD(ハードディスク)でもSSD(ソリッドステートドライブ)でも要件は満たせますが、Windows 11のパフォーマンスを最大限に引き出すためには、SSDの利用が一般的です。OS本体のインストールに加え、アップデートやアプリケーションの利用に必要な空き容量を確保する必要があります。

システムファームウェア

UEFI、セキュアブート対応である必要があります。古いパソコンで採用されていたBIOS(Legacy BIOS)モードでは、Windows 11を正規の手順でインストールすることはできません。UEFIはBIOSに代わる新しいファームウェアインターフェースで、起動時間の短縮やセキュリティの強化を実現します。

TPM (トラステッド プラットフォーム モジュール)

TPMバージョン2.0が必要です。これがWindows 11へのアップグレードにおいて、最もハードルとなる要件の一つです。TPMはハードウェアレベルでセキュリティ機能を提供するチップで、暗号化キーの生成や保存などに使用されます。第8世代Intel CoreやRyzen 2000シリーズ以降のCPUを搭載しているパソコンであれば、通常はファームウェアTPM (fTPM) として対応しています。

グラフィックスカード

DirectX 12以上 (WDDM 2.0ドライバー) に対応している必要があります。近年のパソコンであれば多くの機種が対応していますが、古いグラフィックスカードを使用している場合は注意が必要です。

ディスプレイ

対角サイズ9インチ以上で、720p以上の高解像度ディスプレイが必要です。また、8ビットカラーチャンネルに対応している必要があります。

インターネット接続とMicrosoftアカウント

Windows 11のセットアップ(OOBE)を完了するには、インターネット接続が必要です。特にWindows 11 HomeおよびProエディションの初期設定時には、Microsoftアカウントへのサインインが必須となります。

自分のパソコンが要件を満たしているか確認する方法

スペック表を見て一つひとつ確認するのは手間がかかります。マイクロソフトは、パソコンがWindows 11の要件を満たしているかを自動で診断する公式ツール「PC正常性チェックアプリ」を提供しています。

PC正常性チェックアプリの使用手順

以下の手順で確認を行うことができます。

  1. アプリのダウンロード: マイクロソフトの公式サイトにあるWindows 11の紹介ページ下部、または「互換性の確認」セクションから、「PC正常性チェックアプリのダウンロード」をクリックします。
  2. インストール: ダウンロードしたインストーラー(WindowsPCHealthCheckSetup.msi)を実行し、画面の指示に従ってインストールします。
  3. アプリの起動: インストール完了後、「Windows PC 正常性チェックを開く」にチェックを入れて「完了」をクリックするか、スタートメニューからアプリを起動します。
  4. チェックの実行: アプリの画面上部にある「Windows 11 の導入」という項目内の「今すぐチェック」ボタンをクリックします。
  5. 結果の確認:
    • 「このPCはWindows 11の要件を満たしています」と表示された場合:Windows 11へのアップグレードが可能です。Windows Updateの準備が整い次第、通知が届きます。
    • 「このPCは現在、Windows 11のシステム要件を満たしていません」と表示された場合:どの要件が満たされていないかが詳細に表示されます(例:「TPM 2.0が検出されませんでした」「プロセッサが現在サポートされていません」など)。

要件を満たしていない場合の対処法

「PC正常性チェックアプリ」で要件を満たしていないと判定された場合、いくつかの選択肢があります。

設定の変更で解決する場合(TPMやセキュアブート)

比較的新しいパソコンであるにもかかわらず「TPM 2.0」や「セキュアブート」が原因で非対応と判定される場合があります。この場合、パソコンのUEFI(BIOS)設定でこれらの機能が無効になっている可能性があります。UEFI設定画面に入り、TPM(Intel PTTやAMD fTPM)やセキュアブートを「有効(Enabled)」に切り替えることで、要件をクリアできることがあります。

パソコンの買い替えを検討する

CPUが古い、TPM 2.0に対応していないなど、ハードウェア自体のスペック不足が原因の場合、特にノートパソコンでは部品交換によるアップグレードが困難です。この機会に、Windows 11がプリインストールされた新しいパソコンへの買い替えを検討することをお勧めします。最新のパソコンは処理速度も向上しており、作業効率の改善も期待できます。

なぜ要件が厳しくなったのか

Windows 11でシステム要件が厳格化された背景には、主に「セキュリティ」「信頼性」「互換性」の3つの理由があります。

  • セキュリティ: サイバー攻撃の手法は日々高度化しています。TPM 2.0やVBS(仮想化ベースのセキュリティ)などのハードウェアベースのセキュリティ機能を標準で有効にすることで、マルウェアやファームウェアへの攻撃を防ぎ、ユーザーのデータを保護するためです。
  • 信頼性: 新しいCPUドライバーモデルを採用し、クラッシュ(ブルースクリーン)の発生率を低減させ、安定した動作環境を提供するためです。マイクロソフトの調査によると、要件を満たさないデバイスではカーネルモードのクラッシュが52%多かったとされています。
  • 互換性: ビデオ会議アプリやOfficeソフトなど、現代のアプリケーションが快適に動作するための最低限のパフォーマンスを保証するためです。

まとめ

Windows 11を利用するためには、CPU、メモリ、ストレージに加え、TPM 2.0やセキュアブートといったセキュリティ関連のハードウェア要件を満たす必要があります。まずは公式の「PC正常性チェックアプリ」を使用して、現在のパソコンの状態を確認してみましょう。