Windows 11の初期設定では、OneDriveで「デスクトップ」「ドキュメント」「写真」フォルダーの自動バックアップ(同期)が有効になっていることがあります。
これにより、意図せずクラウドの容量を消費してしまったり、複数のPC間でデスクトップのアイコンが同期されて使いにくくなることがあります。
本記事では、Windows 11でOneDriveの自動保存(バックアップ)設定を停止し、ファイルをローカル(PC本体)のみに保存するように戻す手順を解説します。
また、OneDrive自体のリンクを解除する方法や、設定変更後にファイルが見当たらなくなった場合の対処法についても紹介します。
OneDriveの自動保存(バックアップ)とは
OneDriveの「自動保存」や「バックアップ」と呼ばれる機能は、Windowsの標準フォルダーである「デスクトップ」「ドキュメント」「ピクチャ」の中身を、自動的にクラウド上のOneDrive領域に同期する機能を指します。
この機能が有効になっていると、ファイルはPCのローカルディスクだけでなく、インターネット上のOneDriveにも保存されます。データの消失を防ぐメリットがある一方で、無料版の5GBの容量制限に達してしまったり、同期エラーの原因になったりすることがあります。
OneDriveの自動保存(バックアップ)を停止する手順
特定のフォルダー(デスクトップなど)の同期のみを停止し、OneDrive自体は使い続けたい場合の手順です。
1. OneDriveの設定画面を開く
タスクバーの右側(通知領域)にある雲のアイコン(OneDriveアイコン)をクリックします。アイコンが見当たらない場合は、「∧」ボタン(隠れているインジケーターを表示します)をクリックして探してください。
表示されたメニューの右上にある歯車アイコン(ヘルプと設定)をクリックし、「設定」を選択します。
2. バックアップの管理画面へ移動する
設定画面が開いたら、左側のメニューから「同期とバックアップ」を選択します。次に、「バックアップを管理」ボタンをクリックします。
3. バックアップをオフにする
「フォルダーのバックアップを管理」という画面が表示されます。ここで「ドキュメント」「写真」「デスクトップ」などのフォルダーごとにトグルスイッチがあります。
自動保存を停止したいフォルダーのスイッチを「オフ」にします。
「~ フォルダーのバックアップを停止しますか?」という確認画面が表示されたら、「バックアップを停止してファイルの保存先を選択する」と「自分のPC上のみ」を選択して「続ける」をクリックします。
「~ フォルダのバックアップが停止しました」と確認画面が表示されるので、「OK」をクリックします。
これで、選択したフォルダーの自動同期が停止され、PC上のローカルフォルダーとして独立して機能するようになります。
設定変更後のファイルの行方と復元方法
バックアップを停止すると、場合によっては、これまで同期されていたファイルがデスクトップやドキュメントから「消えた」ように見えることがあります。これは、ファイルがOneDriveフォルダー内に残っているためです。
ファイルが保存されている場所
バックアップ停止後、元のファイルは以下の「OneDrive」フォルダー内に移動されています。
- エクスプローラーを開き、左側のナビゲーションウィンドウから「OneDrive – Personal」(または単に「OneDrive」)をクリックします。
- その中にある「デスクトップ」「ドキュメント」「ピクチャ」フォルダーを開くと、これまでのファイルが保存されています。
ファイルを元の場所に戻す手順
ファイルをPC本体の標準フォルダーに戻すには、手動で移動操作を行う必要があります。
- 「OneDrive」フォルダー内の「デスクトップ」などを開き、戻したいファイルやフォルダーを選択します。
- 選択したファイルを右クリックし、「切り取り」を選択します(またはCtrl + X)。
- PCの「PC」>「デスクトップ」(またはドキュメント等)を開きます。
- 空白の場所で右クリックし、「貼り付け」を選択します(またはCtrl + V)。
この操作により、ファイルがクラウド同期の対象外であるローカルフォルダーに移動します。
OneDriveへの同期を完全に停止する(リンク解除)
OneDriveの機能を一切使用せず、PCとクラウドの接続を完全に切りたい場合は、「このPCのリンク解除」を行います。
リンク解除の手順
- 先ほどと同様に、タスクバーのOneDriveアイコンから「設定」を開きます。
- 左側のメニューで「アカウント」を選択します。
- 「この PC からリンクを解除する」リンクをクリックします。
- 確認画面で「アカウントのリンク解除」ボタンをクリックします。
これにより、PCとOneDriveの同期が完全に停止します。エクスプローラーにはOneDriveフォルダーが残りますが、新しいファイルは同期されなくなります。
一時的に同期を停止する場合
外出先で通信量を節約したい場合など、一時的に同期を止めたい場合は「同期の一時停止」機能を利用します。
- タスクバーのOneDriveアイコンをクリックします。
- 右上の歯車アイコンをクリックし、「同期の一時停止」を選択します。
- 「2時間」「8時間」「24時間」の中から停止する期間を選択します。
指定した時間が経過すると、自動的に同期が再開されます。
OneDriveをアンインストールする場合
OneDrive自体が不要であれば、アプリをアンインストールすることも可能です。ただし、アンインストールする前に、必ず上記の「リンク解除」を行い、必要なファイルをローカルに保存しているか確認してください。
アンインストール手順:
- 「スタート」ボタンを右クリックし、「インストールされているアプリ」を選択します。
- 一覧から「Microsoft OneDrive」を探します。
- 右側の「…」リーダーをクリックし、「アンインストール」を選択します。
まとめ
Windows 11におけるOneDriveの自動保存(バックアップ)の停止は、設定画面の「バックアップを管理」から行えます。停止後はファイルがOneDriveフォルダーに残るため、必要に応じてローカルの標準フォルダーへ移動させてください。
ユーザーの利用環境に合わせて、特定のフォルダーのみ同期を停止するか、OneDriveのリンク自体を解除するかを選択し、快適なPC環境を整えましょう。