【Windows 11】OneDriveで削除したファイルやフォルダを戻す方法

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Windows 11 では、標準機能としてクラウドストレージサービスの OneDrive が組み込まれています。
ローカルの「OneDrive」フォルダーに保存したデータは、自動的にクラウドと同期されるため、複数のデバイスから同じファイルにアクセスできます。
その一方で、整理中に誤ってファイルを削除してしまい、戻し方が分からず困る場面も起こり得ます。
当記事では、「Windows11 OneDriveで削除したファイルやフォルダを戻す」ための代表的な方法と、復元できないケース、日常的な予防策を整理して、Windows 11 の環境で OneDrive から削除したファイルやフォルダを戻す手順を紹介します。

Windows 11 と OneDrive で削除がどう扱われるか

OneDrive で削除したファイルは、下記に移動します。

  • OneDrive フォルダー上で削除した場合:通常のファイルと同じように、Windows の「ごみ箱」に移動します。
  • OneDrive Web サイト上で削除した場合:クラウド側の「OneDrive のごみ箱」に移動します。
  • ごみ箱を空にした場合:ファイルは完全削除され、通常の手順では戻せません。

個人向けの OneDrive では、クラウド側のごみ箱に削除したファイルが約30日間保管されると案内されています(法人向け Microsoft 365 の OneDrive for Business では既定値が93日など、契約プランにより異なります)。この保管期間を過ぎると、OneDrive 側でも復元できない可能性が高くなります。そのため、削除に気付いた時点で、できるだけ早く復元することが重要です。

方法1:Windows 11 の「ごみ箱」から OneDrive のファイルを戻す

Windows 11 で OneDrive フォルダー内のファイルを削除した場合、まず Windows の「ごみ箱」に移動します。この段階であれば、通常のファイルと同じ手順で元の場所に戻せます。

デスクトップのごみ箱から復元する手順

  1. デスクトップに表示されている「ごみ箱」アイコンをダブルクリックして開きます。
  2. 一覧の中から、戻したい OneDrive のファイルやフォルダーを探します。名前や削除日時で絞り込むと見つけやすくなります。
  3. 復元したい項目を選択し、右クリックして「元に戻す」をクリックします。
  4. 該当ファイルが元の OneDrive フォルダーに戻っているか確認します。

この方法で復元できるのは、「ごみ箱」からファイルやフォルダーが削除されていない場合(ゴミ箱を空にしていない場合など)に限られます。既に「ごみ箱を空にする」を実行している場合や、ディスククリーンアップなどでごみ箱の内容が削除されている場合は、次の「OneDrive のごみ箱」側を確認します。

方法2:OneDrive Web サイトの「ごみ箱」からファイルを戻す

OneDrive Web サイトには、クラウド側で管理される「ごみ箱」が用意されています。Windows のごみ箱から削除してしまった場合でも、同期設定によっては OneDrive のごみ箱にファイルが残っていることがあります。

ブラウザーから OneDrive のごみ箱を開く

  1. Web ブラウザーで OneDrive の Web サイト(https://onedrive.live.com/ など)を開きます。
  2. OneDrive に使用している Microsoft アカウントでサインインします。
  3. 画面左側のナビゲーションにある「ごみ箱」をクリックします。

OneDrive のごみ箱からファイルを復元する手順

  1. ごみ箱の一覧から、復元したいファイルやフォルダーを探してチェックボックスにチェックを付けます。
  2. 画面上部のメニューから「復元する」をクリックします。
  3. 復元が完了すると、ファイルは削除前に保存されていたフォルダーに戻ります。Windows 11 のエクスプローラーで OneDrive フォルダーを開き、目的のファイルが戻っているか確認します。

複数のファイルをまとめて戻したい場合は、一覧から複数選択したうえで「復元する」をクリックできます。

方法3:バージョン履歴や「OneDrive を復元する」を利用する

ファイルそのものが削除されていない場合でも、上書きしてしまい、以前の状態に戻したい場面があります。そのようなときに活用できる機能が、OneDrive の「バージョン履歴」「OneDrive を復元する」です。

バージョン履歴から個別ファイルを戻す

バージョン履歴は、ファイルごとの過去の状態を一覧から選んで戻せる機能で、Word や Excel などの Office ファイルで利用されることが多いです。

  1. ブラウザーで OneDrive を開き、対象のファイルが保存されているフォルダーを表示します。
  2. 戻したいファイル(Word、Excel、PowerPointなど)をクリックして、ファイルを開きます。
  3. 画面上部のメニューから「ファイル」-「バージョン履歴」をクリックします。
  4. 画面右側の「バージョン履歴」画面から戻したいバージョンのファイルをクリックします。
  5. 画面上部の「コピーを保存」「復元」をクリックします。

これにより、ファイルは選択した時点の内容に戻ります。
※「復元」をクリックすると(選ぶと)「復元」前の状態が残っているのかどうかがわかりにくいので、「コピーを保存」をクリックして別ファイルとして保存することをおすすめします。

「OneDrive を復元する」で全体をまとめて戻す

Microsoft 365 の個人向けプランなど、一部の契約では OneDrive 全体を指定した日時の状態へ戻す「OneDrive を復元する」機能が利用できます。

  1. OneDrive の Web サイトを開き、画面右上の「設定」(歯車アイコン)をクリックします。
  2. 表示されたメニューから「オプション」を選び、左側の一覧から「OneDrive を復元する」をクリックします。
  3. 画面の指示に従い、戻したい日付や時間帯を選択し、復元を実行します。

この機能は、ランサムウェアや大量削除など、複数のファイルに問題が発生した場合の対処に向いています。一方で、利用できるプランが限られていることや、復元時には一部のファイルがごみ箱へ移動するなどの挙動も発生するため、実行前に画面の説明を確認することが重要です。

削除したファイルやフォルダ戻せない主なケース

復元操作を試しても、次のような条件に当てはまると復元が難しくなります。

  • OneDrive のごみ箱の保管期間(個人向けはおおむね 30 日)が過ぎている場合。
  • ごみ箱からも削除され、クラウド側で完全削除されている場合。
  • 組織のポリシーにより、保存期間やごみ箱の設定が標準と異なっている場合。
  • 同期エラーなどにより、クラウド側にファイルがアップロードされていなかった場合。

これらに該当する場合は、OneDrive の標準機能だけで復元することは難しく、バックアップソフトやデータ復旧サービスなど、別の手段を検討する必要があります。ただし、第三者の復元ソフトを利用するときは、利用規約や安全性をよく確認することが重要です。

トラブルを減らすための設定と日常的な対策

最後に、OneDrive で削除トラブルを減らすための基本的な対策を紹介します。

  • 重要なフォルダーのバックアップを有効化する:OneDrive の設定画面から、デスクトップ・ドキュメント・ピクチャなどのフォルダーをバックアップ対象にしておくと、万一削除しても OneDrive 側で保護される範囲が広がります。
  • 同期状態を定期的に確認する:タスクバー右側の OneDrive アイコンを確認し、同期エラーや一時停止のアイコンが表示されていないかチェックします。同期されていないファイルは、クラウド側のごみ箱にも現れないことがあります。
  • 大きな整理作業の前にバックアップを取る:フォルダー構成を大きく変更するときや、多数のファイルを削除するときは、事前に別のドライブや外付けストレージにコピーしておくと安心感が高まります。
  • ごみ箱をすぐに空にしない:ディスク容量に余裕がある場合は、OneDrive フォルダーの整理後しばらくは Windows のごみ箱を空にしない運用にすると、復元できる期間を長く確保できます。

これらの対策を組み合わせることで、誤削除が発生した場合でも復元の成功率を高められます。日常的なファイル管理の流れに無理なく取り入れられる範囲で設定を見直すことが大切です。

まとめ

Windows 11 で OneDrive を利用していると、整理の途中でファイルを削除してしまうことは珍しくありません。まずは Windows の「ごみ箱」、続いて OneDrive Web サイトの「ごみ箱」を確認し、それでも見つからない場合は「バージョン履歴」「OneDrive を復元する」機能の利用を検討する流れが基本になります。

一方で、ごみ箱の保管期間を過ぎた完全削除など、どうしても戻せないケースも存在します。そのため、「定期的なバックアップ」「同期状態の確認」「ごみ箱をすぐに空にしない」といった予防的な運用も重要です。