今回は、Windows 11におけるDirectXのバージョン確認方法と更新手順を紹介します。
DirectXとは?Windows 11との関係
DirectXは、Microsoftが開発したゲームやマルチメディア処理を最適化するためのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)です。ゲームの3Dグラフィックスや音声処理を効率的に行えるようにする、いわばゲームとハードウェアの橋渡し役を担っています。
Windows 11には、DirectX 12が標準搭載されています。この最新バージョンは、レイトレーシングやメッシュシェーダーなどの高度なグラフィックス機能に対応しています。Windows 11を使っているならば、すでにDirectX 12がインストールされているため、別途ダウンロードする必要はありません。
DirectXのバージョンを確認する方法
Windows 11で現在インストールされているDirectXのバージョンを確認するには、「DirectX診断ツール」を使います。
DirectX診断ツールの起動手順
キーボードのWindowsキー + Rを押します。「ファイル名を指定して実行」のウィンドウが表示されます。
「dxdiag」と入力してEnterキーを押します。DirectX診断ツールが起動します。初回起動時には「ドライバーがデジタル署名されているかどうかを確認しますか?」というメッセージが表示される場合があるので、「はい」をクリックしてください。
「システム」タブを開きます。画面の下部にある「システム情報」セクションに、「DirectX バージョン」という項目があります。ここで現在のバージョンを確認できます。Windows 11の場合、通常は「DirectX 12」と表示されます。
グラフィックカードの対応バージョンも確認しよう
OSがDirectX 12に対応していても、グラフィックカード(GPU)が対応していなければ、最新機能をフルに活用できません。グラフィックカードの対応状況は、DirectX診断ツールの「ディスプレイ」タブで確認できます。
「ドライバー」セクションの「機能レベル」という項目を見てください。ここに「12_1」のような表示があれば、DirectX 12の一部機能に対応していることを意味します。
Windows 11でDirectXを更新する方法
Windows 11では、DirectXの更新はWindows Updateを通じて自動的に行われます。DirectX 12の単独インストーラーは存在しないため、Windows Updateで最新の状態を保ちましょう。
Windows Updateで更新する手順
設定アプリを開きます。WindowsキーとIキーを同時に押すか、スタートメニューから「設定」をクリックします。
「Windows Update」を選択します。左側のメニュー最下部にある「Windows Update」をクリックします。
「更新プログラムのチェック」をクリックします。利用可能な更新プログラムが検索され、DirectXの更新も含めて自動的にダウンロード・インストールされます。
更新が完了したら、パソコンを再起動して変更を適用しましょう。これで最新バージョンのDirectXが使えるようになります。
古いゲーム用のDirectX 9.0cについて
Windows 11にはDirectX 12が搭載されていますが、古いゲームの中にはDirectX 9.0cなどの旧バージョンを必要とするものがあります。このような場合でも、基本的にWindows 11は下位互換性を持っているため、古いDirectXで作られたゲームも動作します。
ただし、一部のゲームでは「DirectX End-User Runtime」というパッケージをインストールする必要がある場合があります。これはMicrosoftの公式サイトからダウンロードできます。このランタイムをインストールしても、Windows 11に組み込まれているDirectX 12が上書きされることはありません。
DirectXのトラブルシューティング
DirectXが正常に動作しない場合、いくつかの対処法があります。
グラフィックドライバーの更新
DirectXの問題の多くは、グラフィックドライバーが古いことが原因です。デバイスマネージャーからグラフィックカードのドライバーを更新しましょう。
WindowsキーとXキーを押して、「デバイスマネージャー」を選択します。「ディスプレイアダプター」を展開し、グラフィックカードを右クリックして「ドライバーの更新」を選びます。
DirectX診断ツールでエラーをチェック
DirectX診断ツールには、DirectX関連のエラーをチェックする機能があります。先ほどの手順でDirectX診断ツールを開き、各タブ(「ディスプレイ」「サウンド」など)で「メモ」欄にエラーメッセージが表示されていないか確認してください。エラーがあれば、その内容に応じた対処が必要です。
まとめ:Windows 11のDirectXは基本的に更新不要
Windows 11には最新のDirectX 12が標準搭載されているため、通常は特別な操作をしなくても最新の状態が保たれます。バージョンを確認したい場合は「dxdiag」コマンドで簡単にチェックでき、更新が必要な場合はWindows Updateで自動的に更新されます。
古いゲームをプレイする場合は、DirectX End-User Runtimeのインストールが必要になることもありますが、これもMicrosoftの公式サイトから入手できます。グラフィックの問題が発生したら、まずはグラフィックドライバーの更新を試してみてください。