今回は、Windows 11の標準機能である「エクスプローラー」の便利な機能と効率的な使い方を紹介します。
Windows 10から進化したエクスプローラーには、タブ機能やギャラリー表示など多くの新機能が追加され、ファイル管理がより便利になりました。
本記事では、エクスプローラーの基本的な使い方や応用テクニックを解説します。
Windows 11エクスプローラーの基本
エクスプローラーとは、Windowsに標準搭載されているファイル管理ツールです。ファイルやフォルダの作成、移動、コピー、削除などの基本操作を行うことができます。Windows 11では、デザインが一新され、より使いやすくなりました。
エクスプローラーの起動方法
エクスプローラーを起動する方法はいくつかあります:
- タスクバーのエクスプローラーアイコンをクリック
- キーボードの「Windows」キー+「E」キーを同時押し
- スタートメニューから「エクスプローラー」を選択
- スタートメニューの「すべてのアプリ」から「エクスプローラー」を選択
エクスプローラーの基本画面構成
Windows 11のエクスプローラーは、主に以下の要素で構成されています:
- ナビゲーションウィンドウ(左側):PC内のフォルダ階層や同一ネットワーク内のPCなどが表示されます
- メインウィンドウ(右側):選択したフォルダ内のファイルが表示されます
- アドレスバー:現在表示しているフォルダのパスが表示されます
- ツールバー:コピーや貼り付けなどの操作ボタンが表示されます
- タブバー:複数のフォルダをタブで開くことができます(Windows 11の新機能)
Windows 11エクスプローラーの新機能
Windows 11のエクスプローラーは、Windows 10と比較して新機能が追加されました。ここでは、特に便利な新機能を紹介します。
タブ機能
Windows 11バージョン22H2のアップデートで追加された機能で、ブラウザのようにタブで複数のフォルダを開くことができます。これにより、デスクトップがエクスプローラーのウィンドウだらけになるのを防ぎ、作業効率が向上します。
タブ機能の主な使い方:
- 新しいタブを開く:タブバーの右側にある「+」ボタンをクリック
- タブを閉じる:タブの右側にある「×」ボタンをクリック
- タブ間を切り替える:表示したいタブをクリック
- ショートカットキー:「Ctrl+T」で新しいタブを開く、「Ctrl+W」でアクティブなタブを閉じる
フォルダを右クリックして「新しいタブで開く」を選択することで、そのフォルダを新しいタブで開くこともできます。2023年9月のアップデートでは、タブの分離・結合機能も追加され、タブをドラッグして別ウィンドウにしたり、別ウィンドウのタブを統合したりすることもできるようになりました。
ギャラリー機能
Windows 11の「ギャラリー」機能(エクスプローラーのナビゲーションウィンドウ(左側)にある「ギャラリー」フォルダ)は、2023年9月のアップデートで正式に追加された機能で、写真や画像ファイルを効率的に管理・閲覧するためのものです。スマートフォンのギャラリーアプリのように、画像をサムネイル表示し、撮影日順に整理してくれます。
ギャラリー機能の特徴:
- サムネイルで写真を一覧表示
- 撮影日順に写真を自動整理
- 右側に年代のスクロールバーがあり、過去の写真に素早くジャンプ可能
- 「表示」メニューからサムネイルのサイズを調整可能
- OneDriveでバックアップしたスマートフォンの写真も表示可能
ギャラリーに表示するフォルダは、「コレクション」→「コレクションの管理」から追加・削除できます。初期設定では「ピクチャ」フォルダの画像が表示されます。なお、ギャラリーの設定はフォトアプリの設定と連動しています。
クイックアクセスとお気に入り
Windows 11のエクスプローラーでは、よく使うフォルダを「クイックアクセス」に、ファイルを「お気に入り」に登録できます。これにより、頻繁に使うファイルやフォルダに簡単にアクセスできるようになります。
登録方法:
- フォルダをクイックアクセスに追加:フォルダを右クリック→「クイックアクセスにピン留めする」を選択
- ファイルをお気に入りに追加:ファイルを右クリック→「お気に入りに追加」を選択
クイックアクセスに登録したフォルダは、エクスプローラーの「ホーム」画面と左側のナビゲーションウィンドウの両方に表示されます。
エクスプローラーの表示設定をカスタマイズする
エクスプローラーの表示方法をカスタマイズすることで、より使いやすい環境を構築できます。
表示オプションの変更
エクスプローラーの「表示」メニューから、以下の表示オプションを変更できます:
- コンパクトビュー:項目間の間隔を狭めて、より多くのファイルを一度に表示
- ファイル名拡張子:ファイルの種類を示す拡張子(.txt、.jpg など)を表示
- 隠しファイル:通常は表示されない隠しファイルを表示
- 項目チェックボックス:ファイルを選択する際にチェックボックスを表示
フォルダオプションの設定
より詳細な設定を行うには、エクスプローラーの「…」メニューから「オプション」を選択します。「フォルダーオプション」ダイアログでは、以下の設定ができます:
- 全般タブ:エクスプローラーで開くフォルダの指定や、クリック設定の変更
- 表示タブ:詳細な表示オプションの設定(ファイルの表示方法、隠しファイルの表示など)
- 検索タブ:ファイル検索の動作設定
エクスプローラーの効率的な使い方
エクスプローラーをより効率的に使うためのテクニックを紹介します。
ショートカットキーの活用
以下のショートカットキーを覚えると、エクスプローラーでの作業が速くなります:
- Ctrl+C:選択したファイルやフォルダをコピー
- Ctrl+X:選択したファイルやフォルダを切り取り
- Ctrl+V:コピーまたは切り取りしたファイルやフォルダを貼り付け
- Ctrl+Z:直前の操作を元に戻す
- Ctrl+T:新しいタブを開く(Windows 11新機能)
- Ctrl+W:現在のタブを閉じる(Windows 11新機能)
- F2:選択したファイルやフォルダの名前を変更
- F3またはCtrl+F:検索ボックスにフォーカスを移動
- Alt+↑:一つ上の階層のフォルダに移動
- Backspace:一つ前に表示していたフォルダに戻る
ファイル検索の効率化
エクスプローラーの右上にある検索ボックスを使って、ファイルを素早く見つけることができます。検索範囲は現在表示しているフォルダとそのサブフォルダに限定されるので、「PC」などの広い範囲から検索したい場合は、まずそのフォルダを開いてから検索を行いましょう。
検索を効率化するためのテクニック:
- ファイル名の一部だけでも検索可能
- 拡張子(例:*.pdf)で特定の種類のファイルを検索
- 日付範囲(例:datemodified:1/1/2024..31/1/2024)で特定期間に変更されたファイルを検索
- サイズ(例:size:>10MB)で特定サイズ以上のファイルを検索
まとめ
Windows 11のエクスプローラーは、タブ機能やギャラリー表示など多くの新機能が追加され、ファイル管理がより便利になりました。本記事で紹介した機能やテクニックを活用することで、日々のパソコン作業の効率を向上させることができます。
エクスプローラーは一見シンプルなツールですが、その機能を十分に理解して活用することで、Windows 11の利点を最大限に活かせます。