Mozillaは今後数ヶ月のうちにAndroid版Firefoxのアドオン開発を再びサポートすると2023年8月10日(木)に発表しました。
Android版Firefoxのアドオン開発の経緯
Android版Firefoxは2020年に大きな変更が行われました。それまでのXULベースのUIから、新しいGeckoViewベースのUIに移行したのです。この変更により、Android版Firefoxはパフォーマンスやセキュリティが向上しましたが、同時に古いアドオンの多くが互換性を失ってしまいました。そのため、MozillaはAMO(addons.mozilla.org)で審査を通過した一部の推奨アドオンだけをインストール可能にするという制限を設けました。記事作成時点で利用可能なアドオンは20種類程度に限られています。
この制限はAndroid版Firefoxのユーザーから不満の声を多く引き起こしました。特に広告ブロッカーやダークモードなどの人気の高い機能を提供するアドオンがインストールできないことは多くのユーザーにとって不便でした。また、開発者も自分が作ったアドオンをAndroid版Firefoxでテストしたり公開したりすることができなくなりました。
Android版Firefoxのアドオン開発の再開
Mozillaは、この問題に対して2023年8月10日にブログ記事で回答しました。その中でMozillaは以下のように述べています。
「私たちはAndroid版Firefoxでより多くの拡張機能を求めるユーザーの需要は大きくなると予想しています。この変更によりFirefoxはオープンな拡張機能エコシステムをサポートする唯一の主要Androidブラウザになります」
Mozillaは今後数ヶ月のうちにAMOでAndroid版Firefox拡張機能のオープンなエコシステムのサポートを開始する予定だと発表しました。これにより、開発者はデスクトップ向けアドオンをモバイル向けに最適化するためのサポートを受けることができるようになります。また、ユーザーもAMOで公開されているすべてのアドオンをインストールすることができるようになります。
Mozillaは導入するための具体的なローンチ日は2023年9月上旬に発表するとしました。また、Androidのようなマルチプロセス環境への移行をサポートする追加のガイドやリソースを作成し、コミュニティイベントを開催することを明らかにしました。コミュニティのサポートや意見については、Firefox Add-ons Discourseで受け付けられています。
Android版Firefoxのアドオン開発の今後
Android版Firefoxのアドオン開発が再開されることは多くのユーザーと開発者にとって喜ばしいニュースです。しかし、それだけではなく、Android版Firefoxの将来にも大きな影響を与える可能性があります。なぜなら、アドオンはブラウザの機能やカスタマイズ性を大幅に拡張することができるからです。
アドオンはブラウザの見た目や操作性を変えたり、ウェブサイトの表示や動作を改善したり、プライバシーやセキュリティを強化したり、新しい機能やサービスを追加したりすることができます。例えば、広告ブロッカーはウェブサイトの読み込み速度やバッテリー消費を減らし、ダークモードは目の疲労を軽減し、パスワードマネージャーはログイン情報を安全に管理し、翻訳ツールは異なる言語のウェブサイトを読むことができます。これらのアドオンはブラウザのユーザビリティや便利さを高めるだけでなく、ユーザーのニーズや好みに合わせてブラウザをカスタマイズすることができます。
Android版Firefoxがアドオン開発を再びサポートすることで、ユーザーは自分の好きなアドオンをインストールしてブラウザを自分だけのものにすることができます。また、開発者は自分が作ったアドオンをAndroid版Firefoxで公開して多くのユーザーに使ってもらうことができます。
まとめ
Android版Firefoxは、2020年の大規模なアップデート以降、利用可能なアドオンの数が大幅に減少していました。しかし、Mozillaが2023年8月10日(木)に発表したところによると、今後数ヶ月のうちにAndroid版Firefoxのアドオン開発を再びサポートするということです。
アドオンはブラウザの機能やカスタマイズ性を大幅に拡張することができるため、Android版Firefoxの魅力や競争力を高めることにつながります。