Threadsのユーザー数と平均使用時間が減少

Metaが提供する新SNS「Threads(スレッズ)」は、7月6日に日本でもサービスを開始しました。

 
 

Threadsのユーザー数と平均使用時間が減少

Threadsは、Twitterに似たUX(ユーザーエクスペリエンス)やInstagramと連携できる機能などを特徴としており、仕様変更が相次ぐTwitterからの移行先として注目を集めました。サービス開始から5日でユーザー数は1億人を突破し、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは10億人に確実に届くと確認できたら、その時点で収益化について考えると表明しました。

しかし、その勢いは長くは続きませんでした。Threadsの1日辺りのアクティブユーザー数は、サービス開始直後の7月7日には4900万人だったのが、7月14日には2360万人に減少したことがウェブ分析ツール「Similarweb」のデータによって示されました。また、アプリの平均使用時間も同期間で21分から6分に急減しました。

Threadsのユーザー数が半減した理由は何なのか? 要因の一つとして考えられるのは、Twitterへの不満が解消されたことです。Threadsが登場したのは、Twitterが閲覧回数を制限するなどの施策を行なっていた時期だったため(それを見てThreadsがサービスを開始したとも取れますが)、多くのユーザーがTwitterへの不満からThreadsに新規ユーザー登録をしたと思われます。しかし、Twitterはその後制約を緩和してサービスの安定性を回復しました。そのため、Threadsに移行したユーザーの多くが、再びTwitterに戻ってきたと考えられます。

もう一つの要因として考えられるのは、Threads自体の魅力や差別化が不十分だったことです。ThreadsはTwitterとそっくりなためにTwitterと比較される部分が多く、ThreadsにはTwitterにない機能もありますが、それらがユーザーにとって必要不可欠なものかどうかは疑問でした。例えば、Instagramと連携できる機能は便利ですが、Instagram自体がSNSとして十分機能しており、Threadsでしか見られないコンテンツやコミュニティがあるわけでもありませんでした。また、Threadsでは投稿内容やフォロワー数などを公開するか非公開にするかを選択できますが、これもプライバシーを重視するユーザーにとってはメリットであるものの、逆に他人の投稿内容やフォロワー数を見られないことでユーザーの興味や関心が薄れる可能性もありました。

Threadsはサービス開始から3週間ほどしか経っていません。そのため、まだまだ改善や追加されるべき点は多いでしょう。しかし、その一方で競合するSNSも進歩しています。Twitterは分散型SNSプロジェクト「Bluesky(ブルースカイ)」や日本発の分散型SNS「Misskey.io(ミスキーアイオー)」などに対抗するために新機能追加や改善を進めており、Instagramも動画コンテンツに力を入れると発表しています。Threadsは、これらのSNSとどう差別化し、ユーザーにとって魅力的なサービスになるのか、その戦略が問われています。

 
 
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