今回は、Windows 11のユーザーアカウント制御(UAC)について、通知レベルの変更方法と、使い方に合ったレベルの選び方を紹介します。
アプリをインストールしようとしたときや、システムに関わる設定を変えようとしたときに、画面が暗くなって「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と表示されることがあります。これがユーザーアカウント制御、略してUACと呼ばれる仕組みです。毎回表示されるので面倒に感じる方もいますが、パソコンを守るうえで大切な役割を持っています。仕組みを理解したうえで、自分に合った通知レベルを選びましょう。
ユーザーアカウント制御(UAC)とは
ユーザーアカウント制御は、Windowsに対して許可されていない変更が加えられるのを防ぐための機能です。管理者の権限が必要な操作が行われようとすると、確認画面を表示して、その変更を許可するか拒否するかをユーザーに選ばせます。
UACが役に立つ場面
たとえば、インターネットからダウンロードしたファイルを開いたときに、身に覚えのないプログラムが裏でシステムを書き換えようとしたとします。UACが有効になっていれば、その時点で確認画面が出るため、「自分はこんな操作をしていない」と気付いて止めることができます。
- 悪意のあるソフトウェアが勝手にシステムを変更するのを防ぐ
- 意図しないアプリのインストールに気付くきっかけになる
- 家族や他の人がパソコンを使う場合に、重要な設定変更を防ぎやすくなる
確認画面が表示される主な操作
UACの確認画面は、管理者権限が必要な操作で表示されます。代表的なものは次のとおりです。
- アプリやドライバーのインストール、アンインストール
- システムフォルダー(Windowsフォルダーや Program Files など)へのファイルの書き込み
- コマンドプロンプトやターミナルを管理者として実行する操作
- レジストリエディターの起動
確認画面に表示される発行元(アプリの作成者)を見ることで、そのアプリが信頼できるものかどうかを判断する手がかりになります。発行元が「不明」と表示されている場合は、本当に実行してよいか一度立ち止まって考えるようにしましょう。
UACの通知レベルは4段階
ユーザーアカウント制御には、通知の出し方が異なる4つのレベルがあります。設定画面ではスライダーを上下に動かして選びます。上にいくほど通知が多く、下にいくほど少なくなります。
1. 常に通知する
最も慎重なレベルです。
- プログラムがソフトウェアをインストールしようとしたり、パソコンに変更を加えようとしたりしたときに通知する
- ユーザー自身がWindowsの設定を変更したときにも通知する
- 確認画面が表示されている間は、ほかの操作ができなくなる(デスクトップが暗くなる)
新しいソフトウェアを頻繁に試す方や、見慣れないWebサイトをよく閲覧する方に向いています。
2. アプリがコンピューターに変更を加えようとする場合のみ通知する(既定)
Windows 11の初期設定はこのレベルです。
- プログラムによるインストールや変更のときは通知する
- ユーザー自身がWindowsの設定を変更したときは通知しない
- 確認画面が表示されている間は、ほかの操作ができなくなる
安全性と使いやすさのバランスが取れたレベルで、多くの方にとってはこの設定のままで問題ありません。
3. アプリがコンピューターに変更を加えようとする場合のみ通知する(デスクトップを暗転しない)
- プログラムによるインストールや変更のときは通知する
- ユーザー自身がWindowsの設定を変更したときは通知しない
- デスクトップが暗くならず、ほかの操作も止まらない
デスクトップが暗くなるまでに時間がかかるパソコン向けのレベルです。暗転しない分、確認画面がほかのウィンドウに紛れやすくなるため、特に理由がなければ上の2つのどちらかを選ぶほうが安心です。
4. 通知しない(UACを無効にする)
- プログラムによるインストールや変更があっても通知しない
- ユーザー自身が設定を変更しても通知しない
- 確認画面は表示されない
確認の手間はなくなりますが、セキュリティ上の理由から推奨されていません。不審なプログラムの動きに気付く機会がなくなってしまうためです。
UACの通知レベルを変更する手順
ユーザーアカウント制御の設定は、Windows 11の「設定」アプリではなく、コントロールパネルから変更します。
- タスクバーの検索ボックスに「コントロールパネル」と入力して開く
- 「システムとセキュリティ」を選択する
- 「セキュリティとメンテナンス」の下にある「ユーザーアカウント制御設定の変更」を選択する
- 表示された画面で、スライダーを希望の通知レベルまで動かす
- 「OK」を選択して保存する
設定を保存するときにもUACの確認画面が表示されるので、「はい」を選んで確定します。なお、この設定を変更するには管理者権限を持つアカウントが必要です。標準ユーザーでサインインしている場合は、管理者アカウントのパスワードなどの入力を求められます。
検索から直接開くコツ
コントロールパネルを順番にたどるのが手間な場合は、タスクバーの検索ボックスに「UAC」または「ユーザーアカウント制御」と入力すると、設定画面の候補が表示されることがあります。よく使う方は覚えておくと便利です。
通知レベルを選ぶときのポイント
どのレベルが最適かは、パソコンの使い方によって変わります。迷ったときは次の考え方を参考にしてください。
- 普段の使い方なら「既定」のまま:アプリによる変更はしっかり確認しつつ、自分で設定を変えるときの手間は抑えられます。
- ソフトを頻繁に入れる、フリーソフトを試すことが多いなら「常に通知する」:すべての変更で確認が入るので、思わぬ変更に気付きやすくなります。
- 家族や子どもと共用するパソコンなら「常に通知する」:設定の変更にも確認が入るため、意図しない変更を防ぎやすくなります。
- 「通知しない」は避ける:一時的に下げた場合でも、作業が終わったら元のレベルに戻しておきましょう。
UACをより安全に活用するためのTips
普段は標準ユーザーで使う
UACの効果を高める方法として、日常の作業は標準ユーザーのアカウントで行い、管理者アカウントは必要なときだけ使うという使い分けがあります。標準ユーザーで操作している場合、管理者権限が必要な操作ではパスワードなどの入力が求められるため、「なんとなく『はい』を押してしまう」ことを防げます。
確認画面は内容を見てから答える
確認画面が表示されたら、すぐに「はい」を押すのではなく、次の点を見る習慣をつけると安心です。
- 表示されているプログラム名が、自分が起動したものと一致しているか
- 発行元が確認済み(信頼できる会社名)になっているか
- 自分が何も操作していないタイミングで表示されていないか
心当たりのない確認画面が出た場合は「いいえ」を選び、ウイルス対策ソフトでスキャンを行うなどの対応を検討しましょう。
アプリを管理者として実行したいとき
特定の操作で管理者権限が必要なアプリは、アイコンを右クリックして「管理者として実行」を選ぶと起動できます。このときもUACの確認画面が表示されます。UACを無効にしなくても、必要なアプリだけを管理者として実行すれば作業は進められるので、通知レベルを下げる前にこの方法を試してみるとよいでしょう。
まとめ
Windows 11のユーザーアカウント制御(UAC)は、管理者権限が必要な変更が行われる前に確認を求めることで、許可されていない変更からパソコンを守る機能です。通知レベルは4段階あり、コントロールパネルの「ユーザーアカウント制御設定の変更」からスライダーで切り替えられます。
- 多くの場合は初期設定(アプリが変更を加えようとする場合のみ通知)のままで十分
- ソフトをよく試す方や共用パソコンでは「常に通知する」も選択肢になる
- 「通知しない」はセキュリティ上おすすめできない
- 標準ユーザーでの利用や、確認画面の内容を見る習慣で安全性を高められる
確認画面を単なる手間と考えず、パソコンを守るための合図として上手に付き合っていきましょう。