今回は、Windows11で共有フォルダーを設定し、家庭内や職場のパソコン同士でファイルを受け渡す方法を紹介します。
共有フォルダーでできること
Windows11の共有フォルダーを使うと、同じネットワークにつながっている別のパソコンから、指定したフォルダー内のファイルを開いたり保存したりできます。USBメモリを使わずに資料を渡したいとき、家族の写真フォルダーを家のパソコン間で共有したいとき、作業用パソコンとサブ機で同じデータを扱いたいときに役立ちます。
ただし、共有フォルダーは便利な反面、設定をゆるくすると見られたくないファイルまでアクセスされる原因になります。最初に共有する範囲を決め、必要な相手だけが使えるようにすることが大切です。
設定前に確認すること
共有フォルダーを作る前に、パソコンが同じネットワークに接続されているか確認します。自宅なら同じWi-Fiルーター、職場なら同じ社内ネットワークに接続されている状態が基本です。
次に、ネットワークの種類を確認します。Windows11では、ネットワークが「パブリック」になっていると他の端末から見つけにくい設定になります。自宅や信頼できる職場のネットワークで使う場合は「プライベート」に切り替えると共有設定を進めやすくなります。
- 設定を開き、「ネットワークとインターネット」を選ぶ
- 接続中のWi-Fiまたは有線LANを開く
- ネットワークプロファイルで「プライベートネットワーク」を選ぶ
外出先のフリーWi-Fiやホテルのネットワークでは、共有フォルダーを有効にしないほうが無難です。共有は信頼できる範囲だけで使うものとして考えると、トラブルを避けやすくなります。
共有用フォルダーを作る
まず、共有専用のフォルダーを作ります。既存の「ドキュメント」や「デスクトップ」全体を共有するより、用途を絞ったフォルダーを用意するほうが管理しやすくなります。
たとえば、デスクトップやDドライブに「共有資料」「家族共有」「作業共有」などの名前でフォルダーを作成します。共有するファイルだけをこの中に入れる運用にすると、関係ないファイルを誤って見せる心配を減らせます。
共有フォルダーは、最初から中身を増やしすぎないことがコツです。必要なファイルを入れて、不要になったものは別の保存場所へ移すだけでも、アクセス権の確認が楽になります。
フォルダー共有を有効にする手順
共有したいフォルダーを右クリックし、「プロパティ」を開きます。「共有」タブを選び、「共有」ボタンを押します。表示された画面でアクセスを許可するユーザーを選びます。
同じパソコンに登録しているユーザーだけに見せたい場合は、そのユーザー名を選びます。家庭内で簡単に使いたい場合でも、なるべく「Everyone」を安易に選ばないほうが扱いやすいです。誰がアクセスできるかを後から説明しにくくなるためです。
ユーザーを追加したら、アクセス許可レベルを決めます。
- 読み取り: ファイルを開く、コピーする
- 読み取り/書き込み: ファイルを追加、編集、削除する
相手にファイルを渡すだけなら「読み取り」で足ります。相手からファイルを入れてもらう場合や、共同で編集する場合は「読み取り/書き込み」を選びます。迷うときは、まず読み取りで始め、必要になったら書き込みを許可すると安全です。
詳細な共有で名前と権限を調整する
もう少し細かく設定したい場合は、フォルダーのプロパティから「共有」タブを開き、「詳細な共有」を選びます。「このフォルダーを共有する」にチェックを入れると、共有名を変更できます。
共有名は、相手がネットワーク上で見る名前です。フォルダー名そのままでも使えますが、用途が伝わる名前にしておくと探しやすくなります。例として「work_share」「photo_share」のように短くすると、入力するときも間違いにくくなります。
「アクセス許可」では、共有経由で使える権限を設定できます。ここでの権限と、フォルダー自体のセキュリティ設定の両方が関係します。共有側で書き込みを許可しても、Windowsのユーザー権限側で拒否されていると保存できないことがあります。
共有設定で困ったときは、共有の権限とセキュリティの権限を分けて確認すると原因を見つけやすくなります。
別のパソコンからアクセスする方法
別のWindows11パソコンから共有フォルダーを開くには、エクスプローラーを起動し、左側の「ネットワーク」を選びます。共有元のパソコン名が表示されたら開き、共有フォルダーを選びます。
ネットワーク一覧に出てこない場合は、アドレスバーに次のような形式で入力します。
- \\パソコン名\共有名
- \\IPアドレス\共有名
パソコン名がわからない場合は、共有元のWindows11で「設定」から「システム」を開き、「バージョン情報」にあるデバイス名を確認します。IPアドレスで接続する場合は、ネットワーク設定の詳細からIPv4アドレスを確認します。
頻繁に使う共有フォルダーは、右クリックして「クイックアクセスにピン留め」しておくと便利です。毎回ネットワークをたどらなくても、エクスプローラーの左側から開けます。
パスワード保護共有の考え方
Windows11には、パスワード保護共有という設定があります。これが有効な場合、共有フォルダーへアクセスする相手は、共有元パソコンのユーザー名とパスワードを入力する必要があります。
家庭内で使うときは、この入力が面倒に感じることがあります。しかし、誰でも開ける状態にするより、ユーザー名とパスワードで制限したほうが管理しやすくなります。特に、家族用の写真や仕事の資料を扱う場合は、パスワード保護共有を有効にしたまま使うのが基本です。
相手のパソコンで資格情報を保存すれば、次回から入力を省けることがあります。共有元のパスワードを変更した場合は、保存済みの資格情報が古くなり、接続できなくなることがあるため、そのときはWindows資格情報を更新します。
つながらないときの確認ポイント
共有フォルダーにアクセスできないときは、設定を一つずつ確認します。いきなり全設定を変えると原因がわかりにくくなるため、ネットワーク、共有、権限の順に見るのがおすすめです。
- 共有元と接続先が同じネットワークにいるか
- ネットワークプロファイルがプライベートになっているか
- 共有フォルダー名を正しく入力しているか
- 共有元パソコンの電源が入っているか
- アクセスするユーザーに読み取りまたは書き込み権限があるか
- セキュリティソフトやファイアウォールが通信を止めていないか
共有元のパソコンがスリープしていると、別のパソコンから開けないことがあります。よく使う共有フォルダーがある場合は、共有元だけスリープまでの時間を少し長めに設定する方法もあります。
安全に使うための運用のコツ
共有フォルダーは、作って終わりではなく、定期的に中身と権限を見直すことが大切です。使わなくなったフォルダーは共有を解除し、不要なユーザー権限は削除します。
書き込みを許可する共有フォルダーでは、相手が誤ってファイルを消す可能性もあります。大切なファイルは元データを別の場所に保管し、共有フォルダーにはコピーを置く運用にすると安心です。
- 共有するフォルダーは用途ごとに分ける
- 権限は最初は読み取り中心にする
- 仕事用と家庭用の共有を混ぜない
- 不要になった共有は解除する
- 重要なファイルはバックアップを取ってから共有する
共有フォルダーは、必要な相手に必要な範囲だけ見せる設定にすることで、便利さと安全性のバランスを取りやすくなります。
まとめ
Windows11の共有フォルダー設定を使うと、同じネットワーク内のパソコン同士でファイルを受け渡しやすくなります。共有専用フォルダーを作り、ネットワークをプライベートに設定し、ユーザーごとの権限を決めるのが基本です。
うまくつながらないときは、ネットワークの種類、共有名、ユーザー権限、パソコンのスリープ状態を順番に確認します。最初から広い範囲を共有せず、用途を絞ったフォルダーで始めると管理しやすくなります。
共有フォルダーは、USBメモリやメール添付に頼らずファイルを渡せる便利な機能です。必要な範囲を決めて使えば、Windows11のパソコン間での作業を効率よく進められます。