【Windows 11】メモ帳の進化と使い方ガイド・ヘルプ

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Windows 11に標準搭載されている「メモ帳(Notepad)」は、長年にわたりシンプルなテキストエディタとして親しまれてきました。しかし、近年のアップデートにより、その機能は大きく進化しています。タブ機能による複数ファイルの管理、作業内容を失わないための自動保存、見やすい文書を作成するためのMarkdown(マークダウン)記法のサポートなど、現代的なテキストエディタとしての機能を備えるようになりました。

今回は、Windows 11のメモ帳に追加された新機能の使いこなし方や、快適に利用するための設定方法について解説します。

作業効率を高める「タブ機能」の活用

Windows 11のメモ帳における最大の変化の一つが「タブ機能」の導入です。これまでは複数のテキストファイルを開くと、その数だけウィンドウが立ち上がり、デスクトップが散らかってしまうことがありました。新しいメモ帳では、Webブラウザのように1つのウィンドウ内で複数のファイルをタブとして切り替えて表示できます。

タブの基本操作

タブ機能の操作は直感的で、Webブラウザの操作に慣れているユーザーであればすぐに馴染めます。

  • 新しいタブを開く: ウィンドウ上部の「+」ボタンをクリックするか、ショートカットキー Ctrl + N を押します。
  • タブを閉じる: タブの右側にある「×」ボタンをクリックするか、閉じたいタブを選択した状態で Ctrl + W を押します。
  • タブの切り替え: マウスでタブをクリックするか、Ctrl + Tab キーで順番に切り替えることができます。

タブの移動と分離

タブはドラッグ&ドロップで自由に並べ替えることができます。また、特定のタブをウィンドウの外へドラッグすると、そのタブを独立した新しいウィンドウとして切り離すことも可能です。逆に、別のメモ帳ウィンドウにあるタブをドラッグして、元のウィンドウに統合することもできます。これにより、参照したいメモと編集したいメモを並べて表示したり、プロジェクトごとにウィンドウを分けたりといった柔軟な使い方が可能になります。

データ消失を防ぐ「自動保存」と「セッションの復元」

「保存せずに閉じてしまって内容が消えた」「PCが急に再起動して作業中のメモが失われた」といったときのために、Windows 11のメモ帳には、こうした事故を防ぐための機能が備わっています。

自動保存の仕組み

※自動保存されるためには、「設定」-「メモ帳の起動時」-「前のセッションを続行」が選択されている必要があります。

メモ帳は、ユーザーが明示的に「保存」操作を行わなくても、入力された内容を自動的に保持します。ウィンドウを閉じても、次回起動時に前回の作業状態(開いていたタブや入力中のテキスト)がそのまま復元されます。これを「セッションの復元」と呼びます。

この機能により「保存するかどうか」のダイアログに応答する必要がなくなり、ウィンドウを閉じるだけで作業を中断できます。次回メモ帳を開いたときには、前回閉じた瞬間の状態から作業を再開できます。

注意点と設定

自動保存は便利ですが、ファイル自体が上書き保存されているわけではありません。タブのタイトル部分に「●」マークが表示されている場合は、ファイルへの書き込みはまだ行われていない状態です。重要なファイルを他人に送信したり、別のアプリで開いたりする前には、必ず Ctrl + S で正式に保存を行ってください。

もし、毎回新しい空白のウィンドウで起動したい場合は、設定を変更できます。

  1. ウィンドウ右上の歯車アイコン(設定)をクリックします。
  2. 「メモ帳の起動時」という項目を探します。
  3. 「前のセッションを続行」から「新しいセッションを開始し未保存の変更を破棄」に変更します。

Markdown記法とリッチテキスト編集

最新のメモ帳では、Markdown(マークダウン)記法のサポートやリッチテキスト編集機能が強化されています。これにより、単なるプレーンテキストだけでなく、見出しや箇条書きなどを用いた構造的な文書作成が可能になりました。

Markdownとは

Markdownは、記号を使って文章の構造を表現する軽量なマークアップ言語です。例えば、行頭に「#」をつけると見出しになり、「-」をつけると箇条書きになります。Windows 11のメモ帳では、これらの記号を入力すると自動的にフォーマットが適用され、見やすく表示される機能が追加されています(※バージョンにより利用可能な機能が異なる場合があります)。
※「表示」-「マークダウン」-「書式付き」を選択する必要があります。

書式設定バーの利用

テキストを選択すると、またはメニューから「書式」に関連するオプションを利用することで、太字や斜体、下線などの装飾を行うことも可能になりつつあります。これにより、簡易的なレポートや議事録の作成であれば、高機能なワープロソフトを立ち上げなくてもメモ帳だけで完結できるようになります。

ヒント: 純粋なテキストデータ(コードや設定ファイルなど)を編集したい場合に、自動の書式設定が邪魔に感じるときは、設定メニューからこれらの機能を無効化し、従来のクラシックな挙動に戻すこともできます。

快適な作業環境を作る「設定」と「カスタマイズ」

メモ帳はシンプルさが売りですが、自分の好みに合わせて環境をカスタマイズすることで、より快適に利用できます。右上の歯車アイコンからアクセスできる設定メニューには、いくつかの重要な項目があります。

ダークモードへの切り替え

長時間画面を見続ける場合、白い背景は目に負担をかけることがあります。メモ帳はWindowsのシステム設定に合わせたテーマ(ライト/ダーク)を適用できますが、メモ帳単独で設定することも可能です。

  1. 設定メニューを開きます。
  2. 「アプリのテーマ」を選択します。
  3. 「ライト」「ダーク」「システム設定を使用する」から好みのものを選択します。

ダークモードを選択すると、背景が黒(またはダークグレー)、文字が白になり、夜間の作業や長時間のテキスト編集でも目が疲れにくくなります。

フォントと表示の調整

プログラミングやログの確認などでメモ帳を使う場合、フォントの選び方は重要です。「フォント」設定から、ファミリ(種類)、スタイル(太さなど)、サイズを変更できます。等幅フォント(ConsolasやBiz UDゴシックなど)を選ぶと、文字の並びが整いやすくなります。

また、「右端での折り返し」機能は「表示」メニューから切り替えられますが、設定画面でもデフォルトの挙動を確認・変更できる場合があります。長い行を横スクロールせずに読みたい場合は、「文字列の折り返し」をオンにしておきましょう。

ステータスバーの活用

ウィンドウ下部の「ステータスバー」には、現在のカーソル位置(行、列)や、文字コード(UTF-8など)、改行コード(CRLFなど)、文字数のカウントが表示されます。

トラブルシューティングとFAQ

メモ帳を利用する際によくある疑問やトラブルへの対処法を紹介します。

Q. 以前のメモ帳に戻すことはできますか?

A. Windows 11の標準機能として提供されているため、完全に旧バージョンの(Windows 10以前の)メモ帳アプリに戻すことは公式には推奨されていません。しかし、新しいメモ帳の機能(タブや自動保存など)は設定で無効化できるものも多いため、設定を調整することで旧来の使用感に近づけることはできます。

Q. 文字化けが発生します

A. 古いテキストファイルを開いたときに文字化けが起こる場合、文字コードの不一致が原因の可能性が高いです。メモ帳はデフォルトで「UTF-8」を使用しますが、古いファイルは「ANSI(Shift-JIS)」で保存されていることがあります。ファイルを開く際にエンコードを指定するか、別のエディタで一度開いてからUTF-8で保存し直すことで解決する場合があります。

Q. 起動しない、または動作が遅い

A. アプリの不具合が疑われる場合、Windowsの設定からメモ帳アプリを「修復」または「リセット」することができます。

  1. Windowsの設定を開き、「アプリ」→「インストールされているアプリ」に進みます。
  2. 「メモ帳」を探し、右側の「…」メニューから「詳細オプション」を選択します。
  3. 「修復」ボタンをクリックします。それでも改善しない場合は「リセット」を試してください(※リセットすると設定や保存されていないセッションデータが消える可能性があります)。

まとめ

Windows 11のメモ帳は、シンプルさを維持しつつ、現代のユーザーニーズに応える便利な機能が多数追加されています。
特にタブ機能と自動保存は、日常的な作業効率を大きく向上させるものです。
これまであまりメモ帳を使ってこなかった方も、ぜひこの機会に新しいメモ帳の機能を活用してみてください。