今回は、Windows 11での動画編集のための選択肢を紹介します。
Windows ムービー メーカーは2017年にサポートが終了し、Windows 11には標準搭載されていないため、その代替手段を解説します。
Windows ムービー メーカーとは?その歴史と現状
Windows ムービー メーカーは、Windowsに標準搭載されていた無料の動画編集ソフトです。Windows Millennium Edition(2000年)から搭載され始め、Windows 7まで使われてきました。シンプルなインターフェースと基本的な編集機能を備え、初心者でも簡単に動画編集ができると人気を博しました。
しかし、2017年1月10日にMicrosoftは公式にWindows ムービー メーカーのサポートを終了し、ダウンロード提供も停止しました。それ以降、Windows 10や11には標準搭載されなくなり、代わりに「フォト」アプリに簡易的な動画編集機能が実装されていました。
Windows 11でのムービー メーカー事情
Windows 11ではムービー メーカーは標準搭載されておらず、公式サイトからのダウンロードも不可能になっています。ネット上には非公式に配布されているインストーラーも存在しますが、マルウェアやウイルス感染のリスクがあるため、注意が必要です。
Windows 11における動画編集の選択肢は主に以下の3つです:
- 非公式な方法でWindowsムービー メーカーをインストールする(非推奨)
- Microsoft公式の新しい動画編集アプリを使用する
- サードパーティ製の代替ソフトを導入する
Microsoft Clipchamp – Windows 11の公式動画編集アプリ
2022年10月のアップデートから、Windows 11には「Microsoft Clipchamp(クリップチャンプ)」という動画編集アプリが標準搭載されるようになりました。これはMicrosoftがムービー メーカーの後継として位置づけている公式の動画編集ソフトです。
Clipchampの特徴
- 直感的なドラッグ&ドロップ操作
- 基本的な動画編集機能(トリミング、分割、結合など)
- テキスト、エフェクト、トランジション効果
- 無料ストック素材(音楽、画像、動画)
- 画面録画機能
- クラウド連携(OneDriveなど)
- 1080pフルHD出力(無料版でも可能)
Clipchampは無料版と有料版があり、無料版でも基本的な編集機能はすべて利用できます。高度なフィルターやエフェクト、追加のストック素材を利用するには有料プランが必要です。
Clipchampの使い方
Clipchampを起動するには、タスクバーの検索ボックスに「Clipchamp」と入力するか、スタートメニュー→「すべてのアプリ」→「Clipchamp」から開くことができます。アプリがインストールされていない場合は、Microsoft Storeから無料でダウンロードできます。
基本的な編集の流れは以下の通りです:
- 「新しいビデオを作成」をクリック
- 左側の「メディアのインポート」から素材を追加
- 素材をタイムラインにドラッグ&ドロップ
- 必要に応じてトリミング、分割、テキスト追加などの編集を行う
- 右上の「エクスポート」をクリックして書き出す
2025年現在、ClipchampにはAI機能も追加されており、ナレーション自動生成やテンプレートを使った自動編集なども可能になっています(AI機能はWeb版Clipchamp(無料プランでもAI機能を使用可能)のみ?)。
Windows ムービー メーカー代替ソフト
Windows 11で使える、ムービー メーカーの代替となる無料動画編集ソフトは以下の通りです:
1. Microsoft Clipchamp(公式推奨)
Microsoftの公式動画編集ソフトで、Windows 11に標準搭載されています。直感的な操作性と基本的な編集機能を備えており、初心者から中級者向けです。無料版でも十分な機能を備えています。
2. VideoProc Vlogger
Windows 11に対応した無料の動画編集ソフトで、ムービー メーカーの全機能に加え、高度な編集機能も備えています。
3. Shotcut
オープンソースの無料動画編集ソフトで、マルチプラットフォーム対応です。高度な編集機能を備えており、慣れれば本格的な動画編集も可能です。
4. DaVinci Resolve
プロフェッショナルな動画編集ソフトの無料版で、ハリウッド映画の色補正にも使われています。
まとめ
Windows 11でWindows ムービー メーカーを使用するのは、セキュリティリスクを伴うため推奨できません。
代わりに、Microsoft公式の「Clipchamp」を使用するか、サードパーティの代替ソフトを利用することをおすすめします。