今回は、Windows 11でファイルやフォルダを削除する様々な方法を紹介します。
日常的なパソコン操作の中で、不要になったファイルやフォルダを整理することは重要です。
しかし、状況によっては単純な削除操作ができないケースもあります。
当記事では、通常の削除方法から、削除できないファイルを強制的に削除する方法、さらには完全削除の手順まで解説します。
Windows 11での基本的なファイル・フォルダの削除方法
まずは、Windows 11における標準的なファイルやフォルダの削除方法を確認しましょう。基本的な削除操作は以下の通りです。
通常の削除方法(ごみ箱経由)
Windows 11では、ファイルやフォルダを削除すると、初期設定では「ごみ箱」に移動します。これにより、誤って削除してしまった場合でも復元が可能です。
- 削除したいファイルやフォルダを選択し、キーボードの「Delete」キーを押す
- ファイルやフォルダを右クリックして、表示されるメニューから「削除」を選択する
- ファイルエクスプローラーの上部メニューにあるごみ箱アイコンをクリックする
- ファイルやフォルダをデスクトップのごみ箱アイコンにドラッグ&ドロップする
ファイルを完全に削除する方法(ごみ箱を経由しない)
ファイルをごみ箱に移動せず、直接完全に削除したい場合は以下の方法があります。
- 削除したいファイルやフォルダを選択し、「Shift」+「Delete」キーを同時に押す
- 確認ダイアログが表示されるので「はい」をクリックすると、ファイルやフォルダがごみ箱を経由せずに完全に削除される
注意:完全削除を行うと、ごみ箱から復元することができなくなります。重要なファイルを誤って削除しないよう十分注意してください。完全削除したファイルは、特殊なデータ復元ソフトを使用しても復元が非常に困難になります。
ごみ箱の設定を変更して常に完全削除する
毎回「Shift」+「Delete」を押すのが面倒な場合は、ごみ箱の設定を変更することで、常にファイルを完全削除する設定に変更できます。
- デスクトップの「ごみ箱」アイコンを右クリックし、「プロパティ」を選択する
- 「ごみ箱のプロパティ」ダイアログが表示されるので、「ごみ箱にファイルを移動しないで、削除と同時にファイルを消去する」にチェックを入れる
- 「削除の確認メッセージを表示する」にチェックを入れておくと、誤削除を防止できる
- 「OK」をクリックして設定を保存する
重要:この設定を行うと、通常の削除操作でもすべてのファイルが直接完全削除されるようになります。復元が必要になる可能性がある場合は、この設定を有効にしないことをおすすめします。
削除できないファイルやフォルダを削除する方法
通常の方法で削除できないファイルやフォルダがある場合、以下の方法を試してみましょう。
使用中のファイルを削除する
ファイルが使用中で削除できない場合は、以下の手順を試してください。
- 使用中のプログラムをすべて終了する
- 「Ctrl」+「Alt」+「Delete」キーを押して「タスクマネージャー」を開く
- 「プロセス」タブで、削除したいファイルを使用している可能性のあるプログラムを選択し、「タスクの終了」をクリックする
- 再度ファイルの削除を試みる
コマンドプロンプトを使用した強制削除
コマンドプロンプトを使用すると、通常の方法では削除できないファイルを強制的に削除できます。
- スタートメニューの検索ボックスに「cmd」と入力する
- 「コマンドプロンプト」を右クリックし、「管理者として実行」を選択する
- ファイルを削除する場合は、「del /f /q /a [ファイルのパス]」と入力する
- フォルダを削除する場合は、「rmdir /s /q [フォルダのパス]」と入力する
- Enterキーを押して実行する
例: デスクトップにある「重要文書.txt」というファイルを削除する場合
del /f /q /a “C:\Users\[ユーザー名]\Desktop\重要文書.txt”
例: デスクトップにある「プロジェクト資料」というフォルダを削除する場合
rmdir /s /q “C:\Users\[ユーザー名]\Desktop\プロジェクト資料”
[ユーザー名]の部分は、実際のユーザー名に置き換えてください。
所有権を取得して削除する
ファイルやフォルダの所有権がない場合、削除できないことがあります。所有権を取得するには次の手順を行います。
- 削除したいファイルやフォルダを右クリックして、「プロパティ」を選択する
- 「セキュリティ」タブをクリックし、「詳細設定」をクリックする
- ウィンドウ上部に表示される「所有者」の横にある「変更」をクリックする
- 「詳細設定」をクリックし、「検索」をクリックする
- 表示されたリストから自分のユーザーアカウントを選択し、「OK」をクリックする
- 「サブコンテナーとオブジェクトの所有者を置き換える」オプションにチェックを入れる
- 「適用」→「OK」の順にクリックする
- 所有権を取得したファイルやフォルダを通常の方法で削除する
セーフモードで削除する
上記の方法でも削除できない場合は、Windowsをセーフモードで起動して削除を試みましょう。
- スタートメニューの「電源」ボタンをクリックする
- 「Shift」キーを押しながら「再起動」をクリックする(※「再起動」をクリックすると、すぐにパソコンが再起動の動作に移るので、事前にアプリやファイル等を終了させてから「再起動」をクリックしてください)
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」の順にクリックする
- 「再起動」をクリックする
- 再起動後、「4」または「F4」キーを押して「セーフモード」を選択する
- セーフモードで起動したら、削除したいファイルやフォルダを通常の方法で削除する
ファイルの「通常削除」と「完全削除」の違い
ファイルの削除には「通常削除」と「完全削除」という2つの方法があります。それぞれの特徴と違いを把握しておきましょう。
通常削除とは
通常削除(「Delete」キーを使用した削除)では、ファイルはごみ箱に移動されるだけで、実際にはハードディスクから完全には消去されていません。ごみ箱から復元することで、削除したファイルを元に戻すことができます。また、ごみ箱から削除した場合でも、ハードディスク上のデータそのものは物理的には残っており、専用のデータ復元ソフトを使用すれば復元できる可能性があります。
完全削除とは
完全削除とは、ファイルのデータ領域に別のデータを上書きすることで、データ復元ソフトを使用しても復元できないようにする削除方法です。個人情報や機密情報を含むデータを確実に消去したい場合や、パソコンを譲渡・廃棄する際には、完全削除が推奨されます。
完全削除のためのソフトウェア
より確実に完全削除を行いたい場合は、専用のソフトウェアを使用する方法があります。これらのツールを使うと、ファイルの削除跡を残さないよう、データ領域に複数回のランダムデータを上書きすることができます。代表的なソフトウェアには以下のようなものがあります。
- データ消去専用ツール
- セキュリティ対策ソフト付属のファイルシュレッダー機能
- パーティション管理ソフトに含まれるデータ消去機能
まとめ:Windows 11でのファイル・フォルダ削除の基本と応用
当記事では、Windows 11でのファイルやフォルダの削除方法について解説しました。基本的な削除操作から、削除できないファイルを強制的に削除する方法、完全削除の手順まで紹介しました。
通常の使用では「Delete」キーを使った標準的な削除で十分ですが、システムファイルや使用中のファイル、他のユーザーが作成したファイルなどを削除する場合は、本記事で紹介した特殊な方法を試してみてください。また、個人情報を含むファイルを削除する場合や、パソコンを譲渡・廃棄する場合は、完全削除を検討することが重要です。