今回は、Windows 11に標準で搭載されている「Windows メモリ診断」を使って、パソコンのメモリ(RAM)に不具合がないかを確認する方法と、結果の見方や活用のコツを紹介します。
Windows メモリ診断とは
Windows メモリ診断は、パソコンに取り付けられているメモリが正しく動作しているかを調べるためのツールです。Windows 11に最初から入っているため、追加のソフトをインストールせずに使える点が特徴です。
メモリは、作業中のデータを一時的に置いておく部品です。ここに不具合があると、アプリが突然終了したり、パソコンの動作が不安定になったりすることがあります。
メモリ診断を試したほうがよい症状
次のような症状が続く場合は、メモリに原因がある可能性があります。
- 青い画面(ブルースクリーン)が表示されて再起動する
- 操作中に突然パソコンが再起動する、または固まる
- アプリが頻繁にエラーで終了する
- ファイルを保存したり開いたりすると、内容が壊れていることがある
- メモリを増設・交換したあとから不安定になった
こうした症状はメモリ以外の原因でも起こるため、原因を切り分ける最初の手がかりとして診断を行うと、その後の対処を考えやすくなります。
実行前に確認しておきたいこと
- 作業中のファイルを保存する:診断はパソコンを再起動して行うため、開いているアプリはすべて閉じられます。
- 時間に余裕があるときに行う:診断中はパソコンを使えません。搭載しているメモリの容量や選ぶテストの種類によっては、長い時間がかかります。
- ノートパソコンは電源につなぐ:途中でバッテリーが切れると診断が中断されてしまいます。
- 管理者アカウントでサインインする:ツールの実行には管理者の権限が必要です。
Windows メモリ診断を起動する方法
Windows メモリ診断は、いくつかの方法で起動できます。使いやすい方法を選んでください。
スタートメニューの検索から起動する
- タスクバーの検索ボックス、またはスタートメニューをクリックします。
- 「Windows メモリ診断」と入力します。
- 検索結果に表示された「Windows メモリ診断」をクリックします。
- ユーザーアカウント制御の確認画面が表示された場合は「はい」を選びます。
「ファイル名を指定して実行」から起動する
- キーボードのWindowsキー+Rキーを同時に押します。
- 入力欄に「mdsched.exe」と入力し、Enterキーを押します。
コマンド名を覚えておくと、検索するより素早く起動できます。
実行タイミングを選ぶ
ツールが起動すると、次の2つの選択肢が表示されます。
- 今すぐ再起動して問題の有無を確認する:すぐにパソコンが再起動し、診断が始まります。開いているファイルを保存してから選びましょう。
- 次回のコンピューター起動時に問題の有無を確認する:今の作業を続け、次に再起動したときに診断を行います。作業の区切りがついてから診断したい場合に便利です。
診断中の画面とテストの種類
再起動すると、Windowsが起動する前に青い画面で診断が始まり、進み具合や検出状況が表示されます。何も操作しなければ、標準の設定で診断が進みます。
F1キーでオプションを変更する
診断画面でF1キーを押すと、テストの内容を変更できます。主な項目は次のとおりです。
- テストの種類:「基本」「標準」「拡張」の3つから選べます。基本は短時間で終わる簡易的なチェック、標準は初期設定のチェック、拡張はより多くの項目を調べるチェックで、最も時間がかかります。
- キャッシュ:テスト中のキャッシュの扱いを選べます。通常は既定のままで問題ありません。
- パス数:テストを繰り返す回数です。回数を増やすと、たまにしか起きない不具合を見つけやすくなりますが、その分時間も長くなります。
項目の移動はTabキー、設定の反映はF10キーで行います。変更せずに戻る場合はEscキーを押します。
テストの種類を使い分けるコツ
- まずは標準で確認する:初めて診断する場合は、既定の標準テストで全体の状態を確認します。
- 不安定な状態が続くなら拡張を試す:標準で問題が見つからなくても症状が続く場合は、拡張テストを選ぶと、より細かく調べられます。
- 拡張テストは寝る前などに実行する:時間がかかるため、パソコンを使わない時間帯にまとめて行うと効率的です。
診断結果を確認する方法
診断が終わるとパソコンは自動的に再起動し、Windowsにサインインしたあとで結果が通知されることがあります。ただし、通知はしばらくすると消えてしまい、環境によっては表示されないこともあります。見逃した場合は、次の方法で確認できます。
イベントビューアーで結果を確認する
- スタートボタンを右クリックし、「イベントビューアー」を開きます。
- 左側の一覧から「Windows ログ」を展開し、「システム」を選びます。
- 右側の「操作」欄にある「現在のログをフィルター」をクリックします。
- 「イベントソース」の一覧から「MemoryDiagnostics-Results」にチェックを入れ、「OK」をクリックします。
- 表示されたイベントを選ぶと、画面下部に診断結果のメッセージが表示されます。
「エラーは検出されませんでした」という内容が表示されていれば、今回のテストではメモリの問題は見つからなかったことを意味します。
該当するイベントが見当たらない場合は、診断が最後まで完了しなかった可能性もあるため、もう一度診断を実行して確認すると確実です。
PowerShellで結果を確認する
コマンド操作に慣れている人は、PowerShellでも結果を確認できます。スタートボタンを右クリックして「ターミナル」を開き、次のように入力します。
- Get-WinEvent -FilterHashtable @{LogName=’System’; ProviderName=’Microsoft-Windows-MemoryDiagnostics-Results’}
過去の診断結果が新しい順に表示されるため、何度か診断した場合に結果を比べるときにも便利です。
エラーが見つかったときの対処法
診断でエラーが検出された場合は、メモリそのものか、メモリの取り付け状態に問題がある可能性があります。次のような対処を検討してください。
- 大切なデータをバックアップする:動作が不安定な状態が続くと、ファイルが壊れるおそれがあります。まずは外付けドライブやクラウドストレージにデータを保存しておきましょう。
- 拡張テストで再確認する:一度の結果だけで判断せず、拡張テストやパス数を増やした診断で、エラーが繰り返し出るかを確かめます。
- メモリの差し直しを行う:デスクトップパソコンなどでメモリを自分で取り付けている場合は、電源を切ってコンセントを抜いたうえで、メモリを一度外して差し直すと改善することがあります。
- 1枚ずつ取り付けて診断する:メモリを複数枚使っている場合は、1枚ずつにして診断すると、どのメモリに問題があるかを絞り込みやすくなります。
- メーカーに相談する:ノートパソコンなどメモリを交換できない機種や、保証期間内のパソコンでは、自分で分解せずにメーカーのサポートへ相談するのが安全です。
エラーが出なかったのに不安定な場合
メモリ診断で問題が見つからなかった場合は、ほかの原因を疑います。Windows Updateで更新プログラムを適用する、最近インストールしたアプリやドライバーを見直す、ストレージの空き容量を確認するといった方法で、原因を一つずつ切り分けていくと解決に近づけます。
まとめ
Windows 11のWindows メモリ診断を使うと、追加のソフトを用意しなくてもメモリの不具合をチェックできます。検索ボックスで「Windows メモリ診断」と入力するか、Windowsキー+Rキーで「mdsched.exe」を実行すると起動できます。
診断はパソコンを再起動して行うため、作業中のファイルを保存し、時間に余裕があるときに実行しましょう。結果はイベントビューアーの「MemoryDiagnostics-Results」で確認でき、エラーが見つかった場合はバックアップを取ったうえで、差し直しやメーカーへの相談を検討します。
パソコンの動作が不安定なときに、原因を切り分ける手段の一つとして覚えておくと役立ちます。