今回は、Windows 11の標準アプリ「Snipping Tool」を使って、画面や画像に写っている文字を抽出してコピーする方法を紹介します。PDFの画像部分やエラーメッセージ、画像として共有された資料の文字など、手入力で書き写していた作業を短縮できます。基本の操作手順から、一部だけをコピーするコツ、個人情報を隠す機能、うまく読み取れないときの工夫まで順番に解説します。
Snipping Toolのテキスト抽出機能とは
Snipping Toolには、キャプチャした画像の中にある文字を認識する「テキストアクション」という機能があります。光学文字認識(OCR)と呼ばれる技術を使って、画像の中の文字をテキストデータに変換し、コピーして別のアプリに貼り付けられるようにするものです。
文字の認識処理はパソコンの中(ローカル)で行われるため、キャプチャした画像をインターネット上のサービスへ送る必要がありません。社内資料など、外部のサービスにアップロードしたくない画像を扱うときにも使いやすい機能です。
テキスト抽出が役立つ場面
- エラーメッセージの文章をコピーして、検索や問い合わせに使いたいとき
- 画像として送られてきた資料の文章を、文書ファイルに転記したいとき
- 文字を選択できないPDFやWebページの画像部分から、文章を取り出したいとき
- 動画の一時停止画面に表示された文字を、メモとして残したいとき
Snipping Toolで文字を抽出する基本手順
まずは、画面の一部をキャプチャして文字を抽出する基本の流れです。
- Windowsキー+Shift+Sを押して、Snipping Toolのキャプチャ画面を表示します。
- 画面上部のバーで「四角形」を選び、文字が写っている範囲をドラッグで囲みます。
- 画面右下に表示される通知を選択し、Snipping Toolのウィンドウを開きます。
- ツールバーにある「テキストアクション」のボタンを選択します。
- 画像の中で認識された文字が強調表示されます。
- 「すべてのテキストをコピー」を選ぶと、認識された文字がまとめてクリップボードにコピーされます。
あとはメモ帳やWord、メールなど貼り付けたい場所でCtrl+Vを押せば、抽出した文字を利用できます。
スタートメニューから起動する方法
ショートカットキーを使わない場合は、スタートボタンを選択して「snipping tool」と入力し、表示されたSnipping Toolを起動します。アプリの画面で撮影モードを選んで「新規」を選択すると、キャプチャを始められます。よく使う場合は、検索結果から「タスクバーにピン留めする」を選んでおくと、次回から起動が早くなります。
必要な部分だけを選んでコピーするコツ
画像全体の文字ではなく、特定の一文や数字だけを取り出したいこともあります。その場合は、テキストアクションを有効にした状態で、コピーしたい文字の上をドラッグして選択します。選択した部分を右クリックしてコピーするか、Ctrl+Cを押すと、その部分だけをクリップボードに入れられます。
キャプチャ範囲を絞ると精度が上がりやすい
文字をきれいに取り出すには、キャプチャの段階で工夫することも大切です。
- 必要な文章の周りだけを囲む:アイコンや装飾が多く含まれると、余計な記号が混ざることがあります。
- 画面を拡大してからキャプチャする:小さな文字は読み取りにくいため、ブラウザーの拡大表示などで文字を大きくしてから撮影すると認識されやすくなります。
- 背景とのコントラストに注意する:背景が写真や模様の場合は、文字の部分だけを狭く囲むと結果が安定しやすくなります。
コピー後は必ず内容を見直す
OCRは便利ですが、似た形の文字を取り違えることがあります。数字の「0」と英字の「O」、漢字の「一」と長音記号の「ー」などは誤認識が起こりやすい組み合わせです。金額やURL、型番などの正確さが求められる情報は、貼り付けたあとに元の画像と見比べて確認すると安心です。
個人情報を隠す「クイック編集」機能
テキストアクションには、文字をコピーするだけでなく、メールアドレスや電話番号を自動で塗りつぶす「クイック編集」の機能もあります。
- キャプチャした画像をSnipping Toolで開きます。
- 「テキストアクション」を選択します。
- 「クイック編集」を選択すると、画像内のメールアドレスや電話番号が隠されます。
- 必要に応じて保存や共有を行います。
問い合わせ画面や設定画面のスクリーンショットを誰かに送るとき、個人情報を手作業で塗りつぶす手間を減らせます。ただし、すべての情報が確実に検出されるとは限らないため、共有する前に画像全体を目で確認しておくと安心です。
テキストアクションが表示されないときの確認ポイント
ツールバーにテキストアクションのボタンが見当たらない場合は、次の点を確認してみてください。
- Snipping Toolが最新か:Microsoft Storeのライブラリから更新を確認し、アプリを最新の状態にします。
- Windows Updateが適用されているか:機能の提供状況はWindowsの更新状態によって変わることがあります。
- 動画ではなく画像のキャプチャか:テキストアクションは静止画のキャプチャで使う機能のため、画面録画では表示されません。
- 画像に文字が含まれているか:文字が認識されない画像では、抽出できる内容がないことがあります。
文字抽出をもっと便利に使うTips
- クリップボード履歴と組み合わせる:Windowsキー+Vでクリップボード履歴を使えるようにしておくと、複数の画像から抽出した文字を順番に貼り付けられます。
- 遅延撮影でメニューの文字も取り出す:Snipping Toolの「遅延」を使えば、開いたメニューやツールチップの文字もキャプチャしてから抽出できます。
- 保存済みの画像ファイルにも使える:画像ファイルをSnipping Toolで開けば、あとからでもテキストアクションで文字を取り出せます。
- 貼り付け先で書式を整える:改行位置が元の画像のまま入ることがあるため、文章として使う場合は貼り付け後に改行を整えると読みやすくなります。
まとめ
Windows 11のSnipping Toolでは、「テキストアクション」を使って画像の中の文字を抽出し、コピーできます。Windowsキー+Shift+Sで範囲をキャプチャし、テキストアクションから「すべてのテキストをコピー」を選ぶのが基本の流れです。必要な部分だけをドラッグで選んだり、クイック編集でメールアドレスや電話番号を隠したりすることもできます。読み取りの精度を上げるには、キャプチャ範囲を絞り、文字を大きく表示してから撮影するのがコツです。抽出した文字は取り違えがないか確認したうえで、資料作成や検索、問い合わせなどに活用してみてください。